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狭苦しいベットの上。
シングルサイズに2人は無理があると思うの。
それでも第一印象からだいぶ瓦解下後輩ちゃんは譲らず、腕を絡ませる次第。
「あっついな〜、なんて……」
「知らないんですか?これが温もりです。私も初めて知りました」
真っ暗な部屋ではどんな顔してこんな恥ずかしいことを言ってるんだと確認しようがないけど、耳が真っ赤なので神戸ワンしてやろうと思った。
「どうだった」
何に対してか。私に対して。依頼に対して。戦闘に対して。命のやり取りに対して。
具体的に言わなかった。言えなかった。
慣れたものだけど、楽になるなんてことの無い事々。
私は楽しかった。
人の命を奪う時。今さっきまで生きていた生命を終わらせたという実感。それによって一凛という人格が生きていいと実感できる。
ほかの人格は余りやりたがらないけど。
否定もしない。結局はそういう事をするのがこの私達であるから。
私達は消耗品だ。
他人なんて考えない。なのに、後輩ちゃんはどう思ったか。知りたかった。辛いなんて弱音を言ってくれるだろうか。
「……はぁ、大変でしたね」
事も無さげに淡々と。あまりにもあっさりしすぎる返答にガバッと起き上がって見下ろす。
「結構他変だったけど、一言で終わる出来事じゃ無かったよね!?」
「だけど、大変でした。決して楽しいことをしているわけじゃありません」
それは誰かに、私に言っていると言うよりは振り返るための独言のようで。
目をつぶったまま今日を振り返りながら。
「正直に言えば、何度死にたいと思ったか。でも死ねないんですよね人間って」
「………」
その気持ちは痛い程分かる。異常に身を置いていて、相容れない日常を守る為に自分を常に殺し続ける。
生まれが悪かった。それだけ。
仕方ない。それだけ。
それでも、憧れは諦められないだろう。
「何か言ってくださいよ」
「分かるよ」
「フフ、そうですよね。でも変わりましたよ………、アナタの…………」
何かを言いかけてそのまま寝てしまった。規則正しくすーすーとまぁ、気持ちよさそうに眠っちゃって。
「何言いかけたんですかー」
後輩ちゃんの頭をなでなでしながら眠りについた。
今まで生きてきて、1番素敵な夜で、1番素敵な眠りにつくまでだった。
思う。争いが無くなればいいのに。




