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「カメラは当然あるよね」
「壊してくしかないですかね」
「失敗するよりかはマシか……」
「ん?何か言った?」
「これを使います」
後輩ちゃんは腰に付けていたポーチからガラス玉の様なものを取り出した。
その内側にはどう見ても雷が渦巻いている。
「なにこれ」
「雷のマテリアル。まあ、これにちょっとある事すれば自然現象の雷が起こせます」
「起こせますって、そんなものあったの?」
「世間には出回ってないですからね。それにこれを知ってるのは世界でも一部の人だけ。水面下で戦争は起きてますからね」
「ふーん」
色々と疑問は尽きないが、ここをどうにかできるなら後は目を瞑りでもしよう。
私は今のを知らないし、聞いてない。そのスタンスで行こうとしたらガシッと右手を両手で抱え込むように掴まれた。
「だっ、駄目です!こ、これで運命共同体ですからっ!」
焦った口調で懇願にも近い言い方。
あまりにも必死というのと、勢いが強すぎて言ってしまった。
「分かった」と。




