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照れ混じりではあるが、真剣な表情だ。
単にからかっているだけでは無いと、判断した。
「……意味あること、何だよね」
「そうです。命に関わる程に」
「大袈裟って感じじゃ無いのよね」
「先の話の通り、私の体は全て毒であり、その免疫でもあるんです」
「私がまだ満足に動けないのって毒が残ってるからなんだね」
「そうです。なのでキスを」
「んー、そこ!そこが分からない。輸血とかじゃダメなの?」
「駄目です!さぁ、目を瞑って」
「ぅうん……騙されてる気もするけど」
意を決して目を硬くつぶる。
知らず拳も固く握っていた。その拳を解き、繋ぎ、後輩ちゃんの温度が伝わる。
見えてないのに、目の前にいるのが分かる。
微かに盛れる吐息。首に回される手。
そして、その時は来た。