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「それからネイルの施設で育ちましたとさ」
両手を広げて話を終わらせちゃった。
「最後滅茶苦茶端折るじゃん」
これからが大事と、体を前のめりにして指を立てる。
「まあ、まあ。で、私の体は実は人工的なもので、その私を毒の体にしたやつは伊沢圭哉」
「……今回の相手じゃん!!」
「伊沢製薬会社が仇なので、手伝ってくださいね」
「それは、勿論だけど」
「ちなみにピストルの派閥です。私達を狙ってるのよそいつらでしたね」
「身内……。アイツらァ!!」
「一凛は知ってるんですか?」
「自称軍隊の頭イカれた奴らだよ」
「へー、楽しそうですね」
「どうしてだよ」
「あ、皮肉です」
「あそう……」
「顔色悪いですよ」
「すまん、ちょっと気持ち悪いかも」
「提案なんですが」
「なに」
「私とキスしませんか?」
「は?」