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バレッタ・ラブ  作者: 新規四季
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「で、任務は?」

「もう、全部私に任せすぎですよ」


嬉しそうに言う。満更でもないようだ。

この後輩は先日バティになったばかりだ。後輩の元バティが死んだ為再編成、そして私という貧乏くじを見事に引き当てたって訳だ。


この後輩は良い。何でもやってくれるし、それを文句は言えど面倒見がいい。

姉妹がいたらしっかり者として周りから頼られるんだろう。

こんなタラレバは虚しいだけか。


「研究者の暗殺だそうで」

「なんかヤバいことやってんのかね」


今回も暗殺か。最近多いと感じる。今月で十軒目。研究者は国単位で見ても優秀な人材だ。

国が今後発展出来るかどうかすら掛かっている。そんな人達をポンポンと殺してしまっていいものかねと、思う。


利益しか、権力しか見えてないようで。

まあ、俺も権利の為だと言われればそれまでで。

結局の所、人は他人のためには生きられないのだろう。


この法治国家では人を殺せば法に殺される。

しかし、悪意を持つ人間は後を絶たない。外人も然り。

他国がスパイとして送り込む人もいれば、自分の利益の為だけに蹴落とす事をなんとも思わない人も居る。


まあ、俺たちはそんな人達を殺す事に何とも思わないが。

なんならコッチだって生活が掛かっている。組織に属しているが、放し飼いの為に援助は微々たるものだ。

生活に使える金なんて本当に僅かだ。まあ、漫画やアニメ、映画に演劇と娯楽に使いまくってるせいだが。


月々100万から。そこから依頼報酬で上乗せ。

これを少ないと見るか多いと見るかはその人の命の価値観だろう。


「どうも表に出てこない研究してるそうです」

「きな臭いねぇ、はぁ。いつもか」


今週の拠点は三軒茶屋。

別どこであってもいいのだが。射撃場は地下にあるが、一旦地下道を歩いて、少し離れた所に出入り口はある。

その為1度外に出て、再度地上を歩いて戻る必要がある。


一見廃墟に見える家に入る。

楽器のケースに銃火器を入れて鍵も閉める。

最悪無くしたらハンドガンでぶち破ろう。

自称優秀な後輩はハンドガンだけで良いらしい。

シャンデリアだけの物悲しい部屋をでる。


「今日は日が強いな」

「いい天気じゃないですか」


らしくないけど、元気が出るような陽射しだと思った。

陰鬱な仕事だというのに晴れ晴れした気分だ。


「暗殺日よりってか?」

「……あんまり可愛くないです」

「人殺しに可愛さ求めんな」


真面目な顔をしてもどこか少女であろうとする後輩を笑いはするが馬鹿にはできない。


可愛さに日常を求めるとしたらどうしても血にまみれてしまいそうで、赤も似合うだろうなと場違いなことを考えた。

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