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「普通に考えてここに隠れませんか?」
「……よし、警戒していくよ!」
「…………」
「なんだよもう!」
じと〜っとした視線が突き刺さる。
一本道をジリジリと進む。
目が何かを捉えた。後輩ちゃんを後ろに押してスコープすら覗かずに狙撃銃のトリガーを引く。
狭い通路に音が反響して状況が掴めない。
ジェスチャーで後輩ちゃんに着いてくるように指示。
後輩ちゃんは頷き、セーフティを外した。
二丁持ち。
「くそっ!直線なのに、見失った!」
「……隠し扉があったんでしょうね。不味いですね」
「ああ、不味い。なんだこれは」
広い空間に出ればそこはもはや工場だった。
地下にどれだけ広い空間を持っていたのか。
「毒ガスとか無しにしてよ〜」
「戻りましょう、危険すぎる」
「そうだね」
警戒を解いてしまった。
この油断が勝敗を決した。
すぐ後ろに殺し屋が居た。
何も出来ずに脇腹に一発、肩に一発喰らってしまう。
咄嗟に回避して急所は外したものの不味い、動けない。
「一凛!!」