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銃口が突き付けられる。ここまでか。
潔く負けを認め、目をつぶる。真っ暗な視界の中で静かに死を待つ。
その姿に祝砲が、余りにも暴力的な祝砲が鳴った。
窓ガラスが振動で割れる。硝煙の中ニヤニヤとした笑みを浮かべているのは頼もしい仲間だった。
「…………!!今誰!?」
「一凛だ」
作戦メンバーの頼もしい女性が死地から生還させてくれた。
しかし、多重人格者である為に誰にお礼を言えばいいのか。出来れば優しい人格時であって欲しいけど、寄りにもよって非情担当とはね。
「あぁ、そう。ありがとね」
「露骨にテンション下げんな」
怖くってすし目を逸らして感謝を伝えると胸ぐらを掴まれて強引に起こされてしまった。
目が笑ってない。
「こ、こんにちはー」
「アイツは何?避けられたんだけど」
「視野がよっぽど広いわね。ここの殺し屋よ。あと気を付けなさい。ヤツの銃弾は何かカラクリがあるわ」
「……毒ですね。まさか被弾したんですか!?」
「おい、見せてみろ。いや、警戒スっから応急処置だけやってくれ」
「わかったわ。傷口がもう濃化してる。解毒するわ」
「……血?」
「私の、血」
「ええ……」