表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私がそう簡単に死ぬなんて思わないでよね  作者: 小平ニコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/57

第35話

 ……いったい、どういうこと?

 あの眩い光りに包まれて、私はこの場所にテレポートしたのだろうか?


 そう、テレポート。

 いわゆる瞬間移動だ。


 かつて王宮に仕えていた天才魔導師が、基礎理論を提唱しただけで、いまだ実用化はされていないらしいが、テレポート以外に、今さっき起こった現象を説明する理屈は考えられない。


 なるほど、メイナード先生の言っていた『危機を脱することができる』とは、こういうことだったのか。確かにテレポートしてしまえば、どんなピンチも追いかけてくることはできないものね。


 私は、一人で納得したようにうんうんと頷いた。


 だが、そんな私の耳に、もういい加減に聞き飽きた、粘着質の笑い声が聞こえてくる。


「ほ……ほほほ、ほほぉ……こ、ここは……どこだね……?」


 うげっ!?

 ガンアイン氏だ!


 ちょっと、冗談でしょ!?

 ピンチが追っかけてきたじゃない!


 私の金縛りは、もう完全に解けている。

 また動きを封じられる前に、急いで逃げないと。


 そう思い、大慌てで身体を翻すが、ガンアイン氏は私には目もくれず、室内を見回し、それから、恐れおののいたように言う。


「まさか……まさかここは、王宮……? そして、さっきの光は……いや、しかし、そんな……」


 王宮?

 ここ、王宮なの?


 いや、今はそんなこと、どうでもいい。

 とにかく、ガンアイン氏から逃げなければ。


 別に彼の真似をしているわけではないが、出入り口を探すため、私も室内を見回す。その途中で、床に横たわるチェスタスと、膝立ちで頭を押さえているエミリーナが目に入った。どうやら、あの地下室にいた全員が、この部屋へと転送されてしまったらしい。


 なら、状況はあまり変わっていないということだ。

 一刻も早く、この部屋から脱出しないと……


 出入り口……

 出入り口はどこ……


 あった!


 2メートルはある、立派な両開きの扉だ。

 あそこから逃げよう。


 でも、びっしりと閉じられてるし、あんな重たそうな扉、開けるだけでも一苦労ね。


 すると、まるで私の思いを感じ取ったかのように、大きな扉はゆっくりと開いていく。


 その中から、青年が現れた。


 すらりとした、高い身長。

 日の光を受けて輝く、美しい銀髪。


 メイナード先生だ。


 安堵感で、思わず泣きそうになる。


 しかし、それにしても、今日のメイナード先生、普段と全然雰囲気が違うわね。いつもはもっと、のんびりとしているというか、穏やかで優しい感じなのに、今はまるで、王族が着るようなビシッとした服で身を固め、鋭い視線をガンアイン氏に向けている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ