表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私がそう簡単に死ぬなんて思わないでよね  作者: 小平ニコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/53

第29話

「でも、だからって……不正入学なんて方法は……」


「ふん、どうせまた『間違ってる』とでも言いたいんでしょ? 昨日も言ったけど、あんたに言われなくてもそんなこと百も承知よ。じゃあ、どうすればいいのよ? 例えば不正なんてせずに、あんたの所に『助けて』って頼みに行ったら、あんたは私を助けてくれたわけ? そんなの無理でしょ?」


 私は、答えられなかった。


 エミリーナの問いに対する答えを持ち合わせていない……と言うわけではなく、彼女の言った『そんなの無理でしょ?』という言葉がすべてだったからだ。


 エミリーナは勝ち誇ったように小さく微笑み、全身に魔力を滾らせた。会話をしている間に、消費した魔力の回復を図っていたらしい。大したスタミナである。


「いいのよ、別にあんたを責めてるわけじゃない。私の考えを分かって欲しいとも思わない。さあ、勝負を続けましょう。あんたと戦うの、思ったよりずっと楽しいわ。……でも、世間知らずの甘ったれた上級貴族の娘なんかに、私は絶対に負けない。未来を勝ち取るために、ここであんたを殺して証拠はすべて隠滅する」


 やはり、戦い続けるしかないのか。


 エミリーナの話を聞いて少々思うところもあるが、だからと言って殺されるわけにはいかない。随分と疲れたが、私だって魔力はまだある。こうなったら根競べだ。私は臨戦態勢を取り、再びエミリーナと向かい合った。


 しかし、今まさに攻撃魔法と防御魔法が激突するといった場面で、突然気の抜けた声が響いてくる。


「おぉ~い。人の部屋の真下でドタンバタンと、何やってるんだい? うるさくて寝てられないよ~」


 私とエミリーナは、同時に声の方を見る。

 そこには寝ぐせだらけであくびをかく、パジャマ姿のチェスタスがいた。


 ……そうか。屋敷の間取り的に、地下室の上はチェスタスの私室だ。


 攻撃魔法と防御魔法の激突音は、極端に大きな音というわけではないので、他の部屋にまでは響かないだろうが、真上だけは別だ。空気の振動が天井を揺らし、のんびりと眠っていたチェスタスを起こしてしまったに違いない。


 エミリーナは興ざめしたという感じで舌打ちすると、私に言う。


「ふん。アンジェラ、あなたとの一騎打ち、なかなか楽しかったけど、いつまでも遊んでるわけにもいかないし、どうやらここまでね」


 それから彼女は、チェスタスに向かって声を張り上げる。


「チェスタス! アンジェラに不正入学の証拠を掴まれたわ! 彼女をどうにかしなきゃいけない! 今すぐ上に行って、ガンアイン様を連れてきて!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ