表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私がそう簡単に死ぬなんて思わないでよね  作者: 小平ニコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/42

第19話

「そ、そうですよね。ごめんなさい、図々しく、あれこれ聞いてしまって……」


 明らかにションボリした様子の私を見て、ガンアイン氏はこちらにすり寄って来た。そしてなんと、彼は無遠慮にも私の肩を抱き、身の毛もよだつような猫撫で声を発する。


「いやいやいやいや、いいんだよ。ワシはおしゃべりは大好きだ。ほほほ、特にきみのような若い娘とのおしゃべりはたまらん。本当なら隠し事なんてしたくないんだけどね。それでも重要な立場にいる人間は、なんでもかんでも喋るというわけにはいかないんだ。わかってくれるね?」


 ガンアイン氏は、抱いている私の肩に置いた大きな手を上下に滑らし、撫でさするようにしながらねっとりと囁く。この人、何を考えているんだろう。仮にも甥の婚約者に対し、こんな態度を取るなんて。


 今すぐ彼を突き飛ばして、ここから逃げてしまいたい。


 だが、まだだ。

 もう少しで、何か重要なことを聞き出せる気がする。


 たった今自分でも言っていたが、ガンアイン氏はかなりのおしゃべり好きだ。あんまり気分の良くないことだが、どうやら私に好意(いや、ただの欲望と言った方が適切だろうか)を持っているようだし、あと一歩踏み込めば、話を核心に持っていける……はず。


 よし。

 いちかばちか。


 私は勝負の決意を固め、言う。


「あの、ガンアインおじさま。実は相談があるんですけど……」


「んん~? 何かな? ワシにできることなら、なんでもしてあげるよ?」


「ありがとうございます。その、ですね。私の友達で、王立高等貴族院に転入したがってる子がいるんですけど、その子は下級貴族の家の子で……えっと、成績もそれほど良くないんです」


「ほおぉ~、そうかそうか、それは困ったねぇ~」


 ガンアイン氏は、私の話を聞いているのかいないのか、適当な言葉を返しながら、私の胸元に視線を向けている。不快感でじんましんが出そうだが、ここが踏ん張りどころだ。あと少し、あと少しの辛抱よ、私。


 あと、言うまでもないが、『王立高等貴族院に転入したがってる私の友達』なんて者は実際には存在しない。不正入学を希望する生徒の情報を出した時、ガンアイン氏がどんな反応を示すのかを、私は知りたいのだ。


 私はさらに一歩、踏み込んだ話をする。


「ガンアインおじさま、さっき言ってましたよね? 王立高等貴族院の理事長と仲がいいって。……なんとか口利きをしてもらうわけにはいきませんか?」


 私の肩を撫で回していたガンアイン氏の手が、ピタリと止まった。

 彼は、これまでより幾分か真剣な表情で私の目を見据え、問う。


「口利き……とは、どういう意味かね?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ