プロローグ
花村花梨。16歳。私は今、居眠り運転していたトラックに轢かれ凄い勢いで飛んだ。
両親は毎日パチンコ屋にいて、帰ってくるのが3日に一回だった。隣近所からいろいろな差し入れとかを持ってきてくれたので空腹にはあんまりならなかった。5歳ぐらいになったときに初めて両親に誕生日を祝えて貰えたと思って喜んでいたが、その日に施設に連れていかれ、お母さんに「迎えに来るからそれまで待っていてね。」といわれた。
中学まで信じていかが、迎えに来てくれなかった。きたのは両親が交通事故で亡くなったという知らせと多額の借金の知らせだった。中学ではいじめにあっていたが、いい高校に行く為に毎日行った。でも、推薦の日に熱を出してボツになり、一次試験でも落ち、二次試験でやっと合格出来た。
念願の高校生活は楽しく送りたいと思い明るく振る舞っていたが、バイト先のケーキ屋に借金取りが押し掛け、25年続いた店が危うくつぶれかけた。
店長にクビにされ、その帰りに轢かれるなって思ってなかった。
高校生活始まってまだ3ヶ月しかたっていなかった。
身体中、痛く身動きとれない。視界はどんどん真っ赤に染まっていき、狭くなってきている。通り掛かりの人がどんどんこっちに集まってきている。
「………」
目の前の女性が何か言っているが、救急車の音と周りの音で全く聴こえない。私の人生、不幸の連続だった。
ラノベとかアニメならこういった場合、異世界に転生してチートになる展開があってハッピーエンドになるものが多い。
(でも、ラノベとかアニメの話だ。)
「…私も…異世界に転生…とかしてみたいな…」
私は掠れた声で呟いた。意識がどんどん遠くなっている。
(私、もう駄目だ。これが「死」なんだ。)
目の前の女性に抱えられながら私は意識を失った。
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