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冴えない僕と不良女子で始める復讐劇(連載版)  作者: のれん
復讐の裏側(佐倉視点)
7/10

第7話 使える女

 神君と私たちが最後にセックスをしてから三年が経った。あれ以来、空っぽになったところには、山下と樋口のおかげで埋まっていった。無意味なオナニーもしなくなった。


「ねぇ、今日どこに行く?」

「カラオケいこー」

「おっけー、じゃああの信号右いけばあるから行こ」


 私たち三人は常に一緒にいると言っても過言ではない。進学した高校も同じ。みんな同じ帰宅部。それを合わせたわけではない。自然とそうなったのだ。

 だが、懸念する問題がある。それはあいつらも同じ高校だということだ。自然と分かるかもしれないが、単純に私たちの頭が悪かっただけだ。


「おい~、佐倉たちよ、これからどこ行くんだ?」

「カラオケ」

「マジで?俺らも行くわ」


 邪魔者が入っても冷静にふるまうことを忘れない。それを止めた時、私たちの復讐が終わるからだ。


「じゃあついてきて」


 私たちの心は冷めているが、表情はとても楽しそうに見える。これが私たちが培った力だ。

 

 カラオケ店に入り、私が先陣を切って歌い出す。とりあえずあいつらがいるとはいえ、とにかく楽しもうと思った。

 歌い終え、ソファーに座る。あいつらは猿のように騒いでいる。昨日こんな女とやったわ、俺も後輩ちゃんとやっちゃった、俺はセフレとやって四回も中出ししっちゃったわ、などなど。脳無しの猿だ。

 ここはひとつチャンスだと思い、あいつらに問いかけてみる。


「ねぇねぇ、マッチングアプリとかやってんの?」

「なんだよ急に、欲求不満なの?俺らが相手するぞ」

「いやいや、私は本当に好きな人としかやりたくないの。とりあえず答えてよ」

「いや、やってねぇな。別に入れなくても色んな女とやれるし」

「入れたらもっと色んな女とやれるよ。人妻とかマッチングできるかもよ」

「人妻かぁ、エロそうだな~。いいな、入れてみるわ」


 単純な猿だった。やはり男全員とは言わないが、女につられやすい。特にヤれる女には男はめっぽう弱いのだと学んだ。それは私の後輩から学んだことだ。



   *********



「せんぱ~い」


 そう声を掛けられ、振り返ると知らない綺麗な女の子が立っていた。黒髪ショートがとても似合う女の子だ。乳は…、正直まな板だ。


「あの、誰?」

「私は村上です。先輩たちみたいな不良になりたくて。先輩三年生ですよね?」


 私たちは目を合わせ「私たちって不良?」という表情をする。まぁ、ミニスカで若干髪を染めていたらそう見えるだろう。あいつらと絡んでいることが何よりそう見えるらしい。


「三年生だけど。不良になりたいって、どうゆう風に」

「乱れた女になりたい」


 どうしてそのような思考に至ったのかとても気になるが、とりあえずその子を屋上に連れて行った。


「一応聞くけど、初対面だよね?」

「そうですよ。でも私はいつも先輩たちを見てました」

「んで、なんでそんなことを考えたの?」

「私、高校一年生なのに処女なんです。先輩たちは処女じゃないでしょ?」 


 いや、高校一年生で処女は普通な気がするが、正直に「まぁそうだよ」と答えた。


「ほら~。やっぱり先輩たち処女じゃない~。どうせ毎晩、色んな男とヤってるんでしょ~。私もそういう淫らなことしたい~」


 不良=淫ら、だと思っているのだろうかこの女は。小さな怒りを覚えたが、山下が「まぁまぁ」と背中を優しく叩いてくれた。


「じゃあとりあえずさ、私の友達の相手してみるのはどう?」

「先輩のセフレですか?」

「違うわよ。バカ」


 そう言い、友達ともいえないただのクラスメイトの男子を屋上に連れてきた。後輩は急に顔を赤らめ、緊張した様子だ。急に連れて来られた男子も「なんなの?」と少し切れ気味だ。

 山下が後輩に耳打ちをし、後輩が男子に近づいた。男子は急にニヤケ顔になり「わかった」と伝え、戻っていった。

 山下に「何を言ったの?」と聞くと、自信満々な顔をした。


「単純よ。『私とセックスしてください』って言わせただけ。後輩ちゃんかわいいからさ、こんな子にそんなこと言われて断る人なんていないから。まぁ、神君なら断るかもね」

「さすが、人を操るのがうまいわ」


 私たちの会話が盛り上がっている中、後輩がこっちに走ってきた。


「先輩!ありがとうございます。これで私も晴れて処女卒業です!」

「そ、そうか、それならよかったわ」

「ありがとうございます!」


 深々と礼をし、帰っていった。なんとも不思議な女の子だ。


 私は彼女が帰ってから、とてもいい案が思いついた。彼女は高校一年生。私たちは高校三年生。上手いこといけば違法なセックスをさせることができるのではないか。この案が思いついた私は、体に電気が走ったみたいに震えた。

 これは使える女だ。

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