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月見草  作者: ami
9/14

9話



 この頃、前にも増して白妙との距離を感じる。


 世間話もする。

 笑う。

 

 ただ一切肌が触れないようにしているのを感じた。


 それでも少しでも彼を焼き付けたい私は側に寄るのに、寄るとその分白妙が離れいく。


 変わらない2人の関係と同じだ。

 その分、積もっていくこの想いを貴方は知らないでしょう?

 心を決めたのだから白妙を好きな気持ちを持って行くって。





 そんな中、私は何か勘違いしていたのかもしれない。

 いや見ないようにしていたのかもしれない。



 突然の訪問者がそれを告げた。


 「清香、この匂いは何だ?」

 この館で唯一私を清香と呼び捨てる男は、そう言って最高に楽しそうに笑った。



 「えっ、匂い?」

 珍しく表情を崩した清香に男は更に愉快そうに笑う。


 「そう、この甘たっるい匂いだ」

 言うなり何時ものように白妙が部屋を出るのを待たず、清香の着物の前を開く。



 男の目線が突き刺さる、胸元の蕾の痣ーーいや、それは蕾では無くなっていた。



  清香の華紋の蕾が開き始めていた。



 愕然としながら自分の華紋を見つめる。

 

 ーー何故?



 呆然と自分の痣を見つめる清香の様子も気にせずに、男は嬉々として告げた。

 「これは3部咲きってところか?もうちょいだな」

 舌なめずりしながら、自分の華紋を食い入るように見る。


 呆然と男を見つめ、思わずといって目線を動かした先で白妙とバチっと目があった。



 その顔は穏やかだった、まるで華が時を祝福するかのような表情だった。



 えっ?

 そうか……

 白妙はお祝いしてくれるんだね。


 そうだよね。

 その為にずっとこんな子どものお世話してたんだし、

 それが貴方の仕事だったんだし。


 バカじゃないの、勝手に思い上がったりして……

 私だけだったんだ。

 この時間を大切に思ってたのは。



 彼のことを思うなら、早く解放してあげないと行けなかったんだ。

 バカみたい、この時間に場所にこんなに縋っていた私が。





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