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同級生を彼女にしたら、世界最古の諜報機関に勤務することになりました  作者: 林海
第七章 18歳、夏(全31回:渡米編)
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19 夕食、朝食そして


 五分に満たないくらいかな、歩いたのは。

 古い石造りの教会。

 ここ、旅行ガイドに載ってないよな? こんな所に、なにがあるんだろう?

 石田佐が教会の裏に回って、牧師さんに案内をお願いしている。

 牧師さんは、箒を手に取って、別庭に通じる鍵を開けた。


 庭に出て、教会の建物から近い白いプラスチックのベンチが置いてある横の地面を、ガサガサとダイナミックに掃き散らす。

 「見なさい」

 石田佐の言葉に従って、地面を見下ろす。


 そこには、乾いて白い部分と、掃かれて落ち葉はなくなったもののまだ濡れて黒い部分とで、まだらになった墓石があった。すでにすり減って読めない字もあったけど、こう刻まれていた。


  『No.95 COMMODORE

MATTHEW CALBRAITH PERRY

     1794-1858』


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)



 これは……。

 「ペリーの墓ですね!?」

 「ああ、遺骨は改葬されてここにはないけれど、ペリーの墓だよ。フィラデルフィアには、ビドルの墓もある。

 日本の歴史に影響を与え、日本人誰もが知っている名前となっているのに、観光コースから外れて忘れられてしまっているのは寂しい話だ。が、我々は覚えておかないと」

 そうか、この人が日本に来てから、日本の歴史は現代につながる激動期に入った。功罪はともかく、日本の現代に至る道はこの人から始まったのだ。


 キリスト教徒の墓に、仏教式に手を合わせるもどうかと思ったので、三人で黙礼をした。アメリカは、日本よりはるかに歴史は短いけれど、短いからこそ、その痕跡をたどるのは容易いのかもと思った。

次回、急転

に続きます。一つ山超え、二つ目の山が迫ってます。

引き続きよろしくお願いいたします。

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