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同級生を彼女にしたら、世界最古の諜報機関に勤務することになりました  作者: 林海
第四章 17歳、夏(全49回:アクション編)
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41 軍用犬、走り出す


 ガキどもの姉妹の拉致の報告が来るはずだ。そうすれば、この事態からでも交渉、逃亡が可能になる。相手を倒して逃げる必要はない。まずは時間を稼ぐことだ。この事態を見越していたわけではないが、手は打っておくものだ。

 この期に及んで、まだ、こちらに優位がある。


 「犬を放て」

 部下に命令する。軍用犬を使って、相手をかき回す。これは、時間を稼ぐどころではない効果があるはずだ。


 次の瞬間、さすがに驚いた。娘が走っているのが、遠くに一瞬だが見えた。死角を選んではいるが、もともと広い場所だ。見えたのは僥倖だが、一方で拳銃ではどうやっても当たらないだろう。

 騙されたのか、何らかの手段で死んでみせたのか。


 怒りで視界が赤くなった。

 許さん。

 許すものか。

 その詐術のおかげで、党の長老から追い込みを食らったのだ。家族諸共、処刑されるかも知れない未来は、この小娘のせいだ。


 「待て! 目標変更だ。犬には娘を追わせろ! 絶対に殺せ!」

 ハンドラーが犬を放つぎりぎりで、命令が間に合った。

 犬の係の部下が、娘のにおいのする布を嗅がせて犬に合図する。二匹のドーベルマンは、カタパルトから打ち出されたように走り出す。


 未だ、事態を制御できている自信はあった。しかし、いつダンプカーが乗っ取られたのか、それはどうしても理解できなかった。


次回、髪


今回、あまりに短いので続けてアップします。

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