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曰く付きの館  作者: 木染維月
第一章 死情
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「つっても、俺らはまだ鳥居くぐってないけどな?」


 迎えの者が来る云々の事情を聞いていなかった二人が一通り驚き終わった後。


 先程の「死」に関する発言からそれなりに修羅場をくぐってきたと思われる菅原蓮は、さすがの順応性というか何というか、この状況を飲み込めたらしかった。


 対する祐平は。


「いや・・・・・・誰ですかホント・・・・・・可愛すぎませんか・・・・・・この子・・・・・・何者・・・・・・」


 ロリコン発言の真っ只中である。


 数ヶ月会わないうちに男子中学生らしくなったようである・・・・・・が、喜ばしいことではない。少なくとも一介の女子高生としては。



 ちなみに私が高校一年生、タメ口を利いているものの菅原蓮は一応一つ上の高校二年生、小林祐平は一つ下の中学三年生だ。受験生のはずなのだが、まあ暇そうなことである。私立の単願にでも決めているのだろうか。あと、彼女の姉である小林ミドリは私より二つ上の(蓮よりも一つ上ということになる)高校三年生だ。小林家は姉弟共に受験生という訳だ。家庭の空気はさぞかし重いことだろう。



「なによ。ちーたすのやつが『むかえにいってこい』っていうからしぶしぶきてやったのに。そういういいかたはないんじゃないの?」


 不服げに言う「彼女」。・・・・・・可愛くない幼女だ。


「ねえ、あんた名前は?」


 私が尋ねると、「彼女」は


「らぴす」


 と短く答えた。キラキラネームなのだろうか、漢字が分からない。あるいは見かけ通り日本人ではないのかもしれない。


「っていうか、あんたたち、なのりなさいよ。ひとになまえをきくときは、じぶんからなのるのがれいぎでしょ」


「よく知ってるね」


「・・・・・・ってちーたすのやつがいってた」


「・・・・・・」


 舌足らずな口調で割と毒を吐く子である。が、やはり所詮は幼女。知識量はそんなに多くないと見た。


「ちょっと、あんたねえ・・・・・・あたしのことなめてると、いたいめにあうよ。こんなろりっこみたいなみためだけど、ちしきのりょうは、あんたたちにまけない。なにしろ、あたしとこぱるは、しょこのばんにんなんだから」


 えーっと・・・・・・ロリっ娘? コパル? 書庫? 番人?


「あたしをなめてると、やけどするぜ」


 見事なまでに、全く以って様になっていなかった。


「で、あんたたち、なまえは? さっさとなのりなさいよ」


「高橋奏音です」


「菅原蓮」


「小林祐平だよ。祐平おにいちゃんって呼んでね」


「しね、ろりこん」


 祐平ってこんな子だったっけ?

 正直気持ち悪い。普通に変態である。


「奏音先輩、今のって普通に小さい子に接する時の言い方ですよね?」


「死ね、ロリコン」


 一般常識からずれている。もはや手遅れだ。


「まあいいや・・・・・・そろそろいこうか、かのんおねーちゃん、れんさん、ろりこんのひと。れんさん、すごくかっこいいね。こぱるもよろこぶよ。あと、ちーたすのやつには、あたしがちーたすの『やつ』よばわりしてたこと、いわないでね」


 よにんだけのひみつ、と、人差し指を口に当てるラピス。


 ラピスとコパルはどうやらイケメン好きのようだ・・・・・・それに祐平がロリコンの人呼ばわりされている。面白いので私は構わないが、それにしても祐平がロリコンだったなんて知らなかった。



「じゃあ、いこう。そのとりいにさわったら、ちょっとねむっちゃうけど、つぎにおきたらやかただからね。げんかんほーるにいると、いきなりいけにえにされてげーむおーばーになっちゃうから、しょこまではこんでおいてあげるよ。・・・・・・じゃ、さんにんどうじに、とりいにさわって。せーのっ」



 言われるがままに私達は鳥居に触れて、その瞬間――。



 びりびりと。


 掛け値無しに、電流が走ったと言える、そんな衝撃が走った。




 ――こういうのは、眠っちゃうんじゃなくて、気絶するっていうんだよ、ラピス!



ラピスの台詞が平仮名祭りで読みづらいです、ごめんなさい。

ここは変える気はないので、頑張って読んでくださると幸いです!

これからも「館」をよろしくお願いいたします。

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