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顔合わせ 1/2

中には複数人のメイドと既に卓に着いた四人の女の子がいた。


まず、一番年上であろう燃えるような緋髪で如何にも勝気な少女。

次に、ふんわりとして青みがかかった髪のおっとりそうな少女。

そして、黒に少し緑がかかった髪の利発そうな少女。

最後にまだ年端もいかない金髪の少女(幼女?)。


それぞれが広いテーブルにバラバラに座っていた。

オスカルの話ではお嬢様は五人いるという話だったような。


「ようやく来たのねオスカル。遅いわよ」

「申し訳ありませんローゼンクイーン様。少々準備に時間がかかりまして」


俺とオスカルが食堂に入り最初に声をかけてきたのは緋髪の少女(ローゼンクイーンというらしい)だった。

声には若干の怒気が入っており、不機嫌さを隠そうともしていなかった。


「そもそも私はこの顔合わせなんて出たくなかったのだけれど」


「まぁまぁ、ローゼ姉さま。顔合わせは早めに済ませたほうがいいでしょ?」

「ソフィア、貴方誰に……」

「ローゼ姉さまもソフィア姉さまも静かにするです。全員揃ったですし、早く食事にするです」

「エメ、貴方まで……もう少し会話を、ね?」

「アンも食べたがってるです」

「ごはんなの!」

「それに、誰が執事になっても私には関係ないです」


そう言ってエメラダと呼ばれた緑髪の少女とアンと呼ばれた金髪の少女は食事を始めてしまった。


「……やっぱり来るんじゃなかったわ。食事が不味くなるもの」

そういってローゼンクイーンは席を立つと、扉の前で棒立ちしている俺の前に来た。


「あの、なにか」

「邪魔よ。そんなこともわからないの?」


鋭い目で俺を睨む。

高圧的だ。歓迎していない、という気持ちがヒシヒシと伝わってくる。


「……失礼いたしました」


自分の主となる人間に失礼な態度はとれない。素直に下がることにする。


「オスカル、後で料理を部屋に運んでおいて頂戴」

「かしこまりました」


最後にそれだけ言うとローゼンクイーンは部屋を出て行ってしまった。

そしてなんとも気まずい空気が残った。


「ごめんなさいね、新入りさん」


そんな悪い空気を破ったのは青髪の少女だった。


「少し料理が覚めてしまったけど、顔合わせを始めましょう。そちらの席に着いてくださる?」

「よろしいのですか?」


仕える者が主と同じ食卓に着くなど普通はあり得ないことだ。


「ええ。今日は客人扱いしても良いのでしょう?」

「……かしこまりました。それでは失礼して」


少し緊張するが、席に着くことにした。

長くなったので分けました。

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