事後報告
「おお。受かったか」
学校へ行き教官室で気だるそうにしていたカーツ教官に今日のことを伝えると、ホッと胸を撫でおろした。相当心配だったようだ。心外な。
「はい。なので講義免除と寮引き払い等の手続きを……」
「あー、いい。そこら辺の手続きはやっておくからお前は仕事のことに専念しろ」
珍しい。自分の仕事は他人に押し付けることで有名な教官が進んで他人の仕事をするとは。明日は槍でも降るんじゃないか。
「しょうがないだろ。学校長からお前には便宜を図るように言われてるんだから」
俺の考えに答えるかのように返事を返すカーツ。
どうやら考えが顔に出ていたらしい。
「で、お前いつから働くんだ?」
「今日中に手続きを済ませて明日には屋敷に行く予定です」
「ん、分かった。荷物はどうする?」
「たいしたものは無いので俺のカバンに入る程度だけ持っていくつもりです」
「了解。残った物の整理は誰かにやらせておくから後のことは任せろ」
と、胸を張る教官だが、言ってることはダメ人間そのものだ。
どこかの誰かさん、よろしく頼みます。
「それでは失礼します」
「おう。くれぐれも先方に失礼のないようにな」
ここで屋敷の防衛ゴーレムをすべて破壊した、と言ったら面白いかと考えたが、辞めておいた。
1行開けたほうが見やすいと言われたので、テスト的に開けてみました。