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執事とお嬢様の魔法五重奏《マジカルクインテット》  作者: 幻馬
第二章 セントリア魔法貴族院
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エメラダの道


「…………確かにそうです。付与系……かどうかは分からないですが、空属性に適性がある、とここに入学したときに知ったです」


やはりか。

……少し、『入学したときに知った』と言うのが気にはなるが、今は聞かないでおこう。


「でも、「空魔法は使えない魔法だから、少し適性のある炎か水の魔法を習得しなさい」、と言われたですよ」

「確かに、一般的にはそうとされてますね」


それも予想が出来る。

これから魔法を学び始める人間に対して、いきなり高難度の魔法を勧める教育者はいないだろう。


…………ま、いないこともないが。


だが俺なら。

空魔法に関する知識なら多くを知っている俺にならエメラダに新しい道を示せるのではないか。

かつて俺が見せてもらった、魔法の神髄。その一端をエメラダに見せられるのではないか?


「エメラダ様。一つ、提案があります」

「……なんですか」

「私から、空魔法を学ぶ気はありますか?」

「空魔法を? レオンから?」


訝しむようないつもの目つきでこちらを見てくるエメラダ。

不信がるのも無理はない。

魔法の腕はともかく、俺はエメラダに空魔法を見せたことがないし、そもそも空魔法に対して良いイメージを持っているはずがない。


「これは、大衆的ではない魔法です。貴族的な魔法でもありません。ですが、エメラダ様の力になる魔法です」


エメラダを諭すように語りかける。

空魔法は決して危険な魔法ではない。寧ろ使い勝手のいい魔法だと俺は思っている。

用途も広く、使い手の発想力次第で様々なことに使える。


「もちろん、炎と水の魔法だけを鍛えるのでも構いません。ですが、エメラダ様がその気なら……」

「……少しだけ考えさせてほしいです」

「それで構いません。決めるのはエメラダ様ですよ」


道を決めるのはエメラダ自身だ。

俺はあくまでその支えになれればいい。そう思う。


「空属性の付与魔法……となれば……」


だが、もし。

もしもエメラダが空魔法を学ぶことを決めたのなら……あの魔法を教えられるかもしれない。


(せんせい)と一緒に研究した、あの魔法を。

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