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事の発端

「お前、ちょっと執事になってこい」


教官室に入るや否や、開口一番カーツ教官にそう言われた。


「俺が執事ですか?」


「そうだ。ちょうどオファーが来てな」


そういって引き出しから一つの映像スフィアを出す。


「えっと、『執事一名募集。住み込み可。未経験歓迎。特殊技能手当有』……なんですかこれ」


「見ての通りだ」


「見ての通り、って……なんでこのセンテルム魔法大学校にそんな求人がくるんですか」


ここは一応大陸トップクラスの学力を誇る大学校のはずだ。

普通であれば執事のオファーなんて受けるワケがないのだが……


「オファー元を見てみろ」


「どういう……」


疑問を抱きつつもスフィアの最下部、オファー元の欄に目を凝らす。


「気になった方はリヒテンベルク邸へ。アレキサンダー・パァルツグラーフ・フォン・セントリア・リヒテンベルク……リヒテンベルクというと、あの?」


「そう、ここの領主様だ」


「なるほど。それは断れませんね」


リヒテンベルク領主様直々の求人となれば学校としても下手な対応は出来ない。


「で、なんで俺なんですか?」


「他に適任者がいなかったからだ。というか、お前以外あり得ない」


「なぜですか?」


「どの口が言うか、成績優秀素行良好魔力潤沢。騎士団からも魔法書院からもオファーが来たってのに全部蹴っ飛ばしてこの時期に卒業後の進路が決まってない奴はこの学校でお前だけだ」


その通りだ。騎士団や魔法書院といえばエリート中のエリートしかなれない。が、俺はそれを辞退した。


「仕方ないんです。どれもやる気が湧かなかったんですから」


「……やる気で蹴るような職か? まぁともかく、だ。未だに職が決まっていなくて、この学校で領主様へ出しても恥ずかしくない生徒はお前しかいない」


「お褒めにあずかり光栄です」


「褒めてねぇよ! ったく、本当にコイツで大丈夫なのか心配なんだが」


頭をボリボリと掻きむしる教官。


「大丈夫です。猫を被るのは上手いほうですから」


「だから余計心配なんだろうが。俺のクビがかかってるんだ、頼むぞレオン」


「大丈夫ですよ。任せてください」

書き貯め分を投稿していくスタイル。

基本は遅筆なので更新は不定期です。

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