放課後の一幕
「ここにいた! 探したよレオン」
放課後。研究室で一人のんびり過ごしていると、フィーネが騒々しくやってきた。
「フィーネか。どうした、論文でボツ食らったのか?」
「違うよ! でも、その節はお世話になりました!」
姿勢を正して丁寧なお辞儀をしてくる。
以前フィーネの研究を手伝ったことがあった。
あの時は色々大変だったが……その辺の話は割愛する。
「それはどーも。で、何用?」
「あ、そうそう。カーツ教官が呼んでたよ」
「またあの人は……」
カーツ教官は人に仕事を任せることで有名だ。
俺を探すのだって自分で探すか拡声スフィアなり何なり使えばいいのだが。
「了解。どうせ教官室に行けばいいんだろ?」
「そうそう。もう大分慣れちゃってるね」
「まぁな。ここ数週間通い詰めなワケだし」
「そんな誇らしげに言うことじゃないような……でもさ、レオン」
神妙な顔つきになるフィーネ。
「なんだ?」
「本当に就職、大丈夫?」
そんな事だろうとは思った。
「まぁ、何とかなるだろ」
「でもさ……最初はあんなに来てた募集だってもう数えるほどしかないし……」
それは確かにそうだ。最初は俺へのオファーがそれこそ数えきれないほど、それもかなりの好条件が揃っていた。
しかし、今ではもう数えるほどしかオファーが無い。
「それでもまだ何かあるだろ」
「何か、って……」
「心配するなって。俺は大丈夫だから」
「……本当?」
「本当。じゃ、俺行くわ。ありがとなフィーネ」
「う、うん。またね」
俺を心配するフィーネに別れを告げ、教官室へ向かった。
ファンタジー(?)のリハビリです。
久しぶりのなろうですが、どうぞよろしくお願いします。
ちなみにフィーネの出番は当分ありません。多分。