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149話 オーク砦で砲弾は跳ねる

大変お待たせいたしました。


現在、リアルで社員2人が飛んでしまい地獄の職場となっております。

投稿がさらに不定期となります。


すいません……


<(_ _)>





 オークの監視塔のひとつが砲撃の直撃を受けて爆破されたことにより、他ののんびりとしていた監視塔もどうしたのかと騒ぎ始める。

 

 街でお祭り騒ぎだったオーク達も爆発音に気が付き、一斉に爆発した監視塔へと目が向く。


「なんだ? 爆発?」

「何がったんだ?」

「何かの事故?」

「おお、花火か?」


 オーク達は勝手な想像をし始めるのだが、他の監視塔が外へ射撃を開始したことにより、やっと外からの襲撃だということを理解した。


 オークの群衆の中の1人、恐らく士官クラスの兵士であろう。掴んでいた酒瓶を捨てると大声で叫び始めた。


「兵士は直ぐに持ち場に復帰しろっ、そうでない者も直ぐに応戦体制をとれ~」


 そう言って自らも持ち場へと戻ろうとするのだが、すでに酔っ払ってしまっているのだろうか、足元がおぼつかない。


 数人のオーク兵士が近くに止めてあったトラックに乗り込んで急発進するのだが、ものの数メートル走行したところで建物に激突して炎をあげる。

 アルコールが入ってるせいで、まともに運転さえできないのだ。


 しばらくしてやっと警報のサイレンが街中に鳴り響く。


 ここへきて街のオーク全員がやっと異常事態に気が付いた。


 しかしその半数近くが飲んだくれている状態だ。

 それでも彼らは戦いに向かうのだった。


 




 マノックの覗く双眼鏡にオークの街“ガボット”城壁から立ち昇る煙が映る。


「おお、派手にやってるな。俺達も遅れちゃいられねえ。砲撃よ~い!」


 マノック掛け声と同時に、オークの街とオークのコルベット級も砲撃を開始した。


 見張り台に立つ部下であるゴブリン兵のブエラが叫ぶ。


「敵の砲炎確認! 一斉にきます!」


 ブエラの声にシェリーのすぐ横にいたマノックが反応する。


「構わん、こっちも撃てっ!」


 その合図でシェリーが76㎜砲の引き金を引く。


 76㎜砲発射の強い衝撃が艇を揺らし、遠方にいる敵艇に向かって砲弾は飛翔していく。


 その直後、マノック達の艦隊スコードロンに砲撃が降り注ぐ。


 多数の着弾で砂と破片がゴブリン艇や俺の突撃艇!の船体を叩く。

 しかしまだ命中弾はない。


 マノックが砲撃したのを機に、味方のゴブリン艇からも次々に砲撃が開始される。


 オークの3隻のコルベット級のまわりには、次々にこちらの放った砲弾が着弾していく。しかしその着弾場所は命中にはほど遠い。というよりもちょっと酷いと思われる射撃レベル。


 それを確認した見張り台のブエラが着弾報告をする。


「いやあ、酷いですね……着弾遠し。命中弾ありません」


 同様にそれを双眼鏡で見ていたマノックがふと、つぶやく。


「ロリっ子? 外したのか……」


 シェリーにその声が聞こえてしまったらしい。慌てる様にマノックに言葉を返す。


「な、なに言ってるのよっ。ビビった訳じゃないからっ。小手調べに決まってんじゃないのっ。それに初弾命中なんて無理に決まってんじゃないのよっ」


 文句を言うと直ぐに照準眼鏡に再び目を覗き込む。


 シェリーの言葉を聞いてマノックは、シェリーに変な期待をかけていた事に気が付く。そういえばシェリーは普通の女の子であって、ミルやレラーニと一緒にしてはいけなかったと少しだけ反省する。それはあくまでも“少しだけ”だが。


 マノックが気を取り直して直ぐに叫ぶ。


「次弾装填急げ! 装填次第撃てっ」


 そうは言っても現在76㎜砲内にいるのはマノックとシェリーだけである。

 つまり装填手はマノックしかいないのである。


「ええい、俺がやるのか!」


 マノックはそう言うと、76㎜砲弾を掴みそれを勢いよく装填する。


 そして装填が完了すとマノックが怒鳴る様に言う。


「ロリっ子っ、準備完了だっ!」


 それに対してシェリーはマノックの完了の合図をまたずに無言で76㎜砲の引き金を引く。


 76㎜砲弾は衝撃だけを船体に残して、軽い放物線を描いて先頭を走る敵オークのコルベットに飛来した。

 その1発がコルベットの艇首甲板に着弾した。


 76㎜の徹甲榴弾はコルベットの甲板を易々と打ち抜くと、船体内部の居住区でエクスプロージョンの魔法を発動させた。


 マノックが覗く双眼鏡にコルベットから上がる爆発煙が映る。


「敵コルベットに着弾ひとつ。ロリっ子、お前の砲弾だ」


 マノックのその言葉で、照準眼鏡を覗くシェリーの口角が僅かに上がる。


 マノックは双眼鏡を覗きながら次の指示を出そうとして一瞬言葉が止まる。


「よし、このまま――ん? そうか。これは面白そうだな」


 マノックが砂海を見つめながら何かを思いついたらしい。


「ロリっ子、敵の少し手前を狙え。跳弾させるぞ」


「はあっ? 何言ってるのよっ」


「あの辺は砂海の砂が薄いんだよ。いいから手前を狙え!」


 シェリーはマノックが何を言いたいのかわからないのだが、とりあえず何か策があるのだろうと指示に従って、敵コルベットの少し手前の砂海に照準を合わせる。


「よし、撃て!」


 マノックの合図にシェリーは引き金を引く。


 76㎜砲弾は狙い通りにマノックの言われた、敵コルベットの数メートル手前に着弾した。


 すると76㎜砲弾は砂海に着弾すると、そのまま砂中にめり込まずに跳ね上がる。そして跳ね上がった砲弾は、もう少しでコルベットに命中というところでエクスプロージョンの魔法を発動した。


 直撃ではないのだが、装甲の薄いコルベットにしたらたまらない。

 至近距離で爆発したたくさんの破片が船体を襲い、その薄い船体を撃ち抜いて行く。


 双眼鏡で確認したマノックが悔しそうに言う。


「ああ、おしい! もう少し。出来れば跳弾した後に船底に直撃するのがいいぞ。聞いてるか? ロリっ子?」


 そんな無理難題をシェリーに吹っ掛ける。

 しかしシェリーはそんな難題よりも、目の前で起こった跳弾現象が理解できない。


「なんでよっ? 今っ、砲弾が跳ねたわよねっ」


 シェリーが言ったように実際76㎜砲弾が砂海で跳弾した。

 

 というのは、砂海の砂の層が薄い地点だったことに、マノックが気が付いただけのこと。

 砂が薄く、その下は岩場であった事。


 その岩場に砲弾が当たれば跳ね返り、上手くいけばその跳弾が防備の弱い敵の船底に命中しないだろうかと考えたのだった。


 残念ながら船底には命中しなかったのだが、あとコンマ何秒か遅れていれば跳弾した砲弾が敵の船体のどてっぱらに喰い込んでいたところだ。

 これも徹甲榴弾だからできた技だ。

 榴弾だったら命中した途端に爆発だからだ。


 しかし次の射撃で、シェリーは見事敵の船底に76㎜砲弾を跳弾させた。


 跳弾した砲弾は船底の薄い装甲を撃ち抜いて、その内部で呪符魔法を解き放つ。

 船底に空いた弾痕から爆発煙を吹き出す敵コルベットに、思わず声を上げるマノック。


「やったぞロリっ子。砲弾船底に命中だ!」


 その砲撃で敵コルベットは右舷船底を砂海に引きずりだし、徐々に速度を落としていき、戦列から離れて行った。


 だが喜んではいられない。

 まだ敵はコルベット級が2隻健在なのだ。

 しかもシェリーの放った砲弾以外はまだ1発も命中していない。

 幸いにも敵の砲弾の命中もないのだが、戦闘が長引けばいずれ街中から新手が出てくる可能性が高くなる。

 ということは早い段階で多くの敵に被害を与えておきたい。出来れば戦闘不能にしておきたいところのなのだが、如何せん、味方ゴブリンの戦闘能力が余りにも低い。

 味方戦力としては余りに非力すぎなのであった。


 マノックの指示通りに行動はしてくれるのだが、砲撃は明後日の方向へ飛んでいくわ、次弾装填速度は余りにも遅いわで戦力にならないのである。


 マノックはつぶやく。


「ゴブリン達、騎乗魔物の扱いは上手いんだけどな。陸戦艇の扱いは酷いな……」


 敵のコルベットを1隻戦闘不能にしたころ、街の城壁門から新手の陸戦艇が4隻出現する。しかしその内の2隻は城壁に取り付いている鎧トカゲと、城壁内部へと侵入しようとするイエロースパイダーの迎撃へと回って行く。


 いち早くそれを双眼鏡内に確認したマノックが告げる。


「くそ、クルーザー級が1隻混じってやがる」


 城壁内から出現した4隻の内2隻がクルーザー級の陸戦艇だったのだ。4隻の内の2隻はデストロイヤー級で鎧トカゲ方面へ進路をとり、そして残りの2隻のクルーザー級がこちらに向かって来ている。


 見たところ2隻ともライトクルーザー級である。


 乗組員の質はともかく戦力的には有利だったマノック達だったが、この新たな敵の出現により、一気に形成が不利になったのだった。



 






















女子会







レラーニ:「それではここに第1回、女子会を開催する」


ミル:「わ~い。私こういうの初めてです! なんだかワクワクしますね」


シェリー:「ふふんっ。私なんかしょっちゅう屋敷に貴婦人を集めてやっていたわっ」


レベッカ:「あら、私達は毎日よね。ソニア姉さま」


ソニア:「あらあら、まあまあ。そう言えば私達姉妹は毎日2人で夜、お酒を酌み交わしているわね」


ミル「ビッチ姉妹さん、さすがです」


レラーニ「いや、それはたぶん家族の食事みたいなもんで、女子会って言わないだろ、普通。それとミル。よく本人の前で“ビッチ姉妹”って言えたな。ミルの勇気に敬服するぞ」


ミル:「へ?」


シェリー:「そんなことよりもっ。とりあえず乾杯しましょうよねっ」


レラーニ:「そうね。まずは女子会に~」


全員:「「かんぱ~~~い」」」


シェリー:「それじゃあ女子会らしくガールズ・トークしましょうかっ」


ミル:「それじゃあ、雌の魔物召喚しますね」


レラーニ:「召喚すな!」


シェリー:「ガールズ・トークっ。そうねっ。例えば定番で言うと恋愛の話ねっ」


ミル:「レイさんの話ね!」


シェリー:「うぐっ、ミルは少し黙ってようねっ。そうねっ、好きな男性のタイプとかどうかしらっ?」


ミル:「レイさん!!」


レラーニ:「わ、私もそうだな。レイかな……」


シェリー:「ぐぐぐぐっ。ちょっとそこの2人はしばらく聞き役になってもらおうかしらっ」


レラーニ:「すまん、実はこういうの慣れてないないんだ」


シェリー:「いいわっ、私に任せなさいっ。そうねっ、レベッカとソニアは双子だけど男性の好みってやっぱり似ているのかしらっ?」


レベッカ:「私達の好みですか? そうですね、好みというか気になった男性は結構多いですわね」


シェリー:「へえっ。それは以外ねっ。それで自分から告るタイプっ?」


レベッカ:「あらやだわ。そんな面倒な事しないですわよ。ねえソニア姉さま」


ソニア:「そうよ。気になる男性はいつもレベッカと2人でさらってきますから。おほほほほ」


一同:「……」







爆発落ち一切なし!




ということで次回もよろしくお願いします。






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