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なんだか凄い世界に召喚されたもんだ


『コーコーセイとやらが何かは知らんが人間よ、お前には核がないな』


あ、もう質問が終わったから普通に思考ができる!


かく、カク、核、書く?書くとはなんぞや?


あぁ、もしかして死角?死角がない?


資格はお持ちですか?


いいえ。死角はありません。無敵です。ってこと?


『人間よ。これは問いではなくただの確認だが、お前はこの世界の生まれではないな?』


はい、そうです。原産国は日本ですよ?


「何を馬鹿な!多少身体が頑丈なだけのただのガキですよ!」


おっさんまだいたんですね。すっかり存在を忘れてましたよ。


『ほう、我が間違っていると申すか?』


「いえいえ、滅相もない!序列13位のアスピテリク様に間違いなど万に一つもありますまい。しかし!しかしですよ、アスピテリク様。現在明らかになっている祝福や能力の中にも神の眼を欺くための特性を持つものがいくつか確認されているのです。そこのガキが何か未知の祝福や能力を隠し持っている可能性もあるわけでして......」


あれ?なんかよく分からん会話が聞こえてくるぞ?


序列?祝福?神?


ファンタジーかと思いきや神話だったりするの?


『ではお前はこの人間がこの世界の者であると思うのか?歳が17で15を2つも超えるというのに祝福を持たず、ろくな武装もない。挙句の果てには核も存在しないこの人間が本当にこの世界の者であると?』


「いえ、ですからそれは何か未知の能力等が影響して......」


『仮にこの人間がこの世界の者であるとして、ここまで完璧に自分の正体を隠している時点で序列が3桁以内であることに相違ないであろう。お前は自分の序列を理解しているか?』


「そ、それは......」


おっさんの顔から血の気が失せていくのが目に見えて分かる。


『そして、仮にこの人間がこの世界の人間でなかったとしよう。お前は誰の意見に物申していたのか理解しているか?』


「......っ!」


おっさんの身体から顔が失せていくのが目に見えて分かる。


おっさんの身体が上から順に消えていく。


あれ?おっさん消えてね?


え?


「あ、あの......今のおっさんは?」


『いくら温厚な我とて序列がかけ離れた、それもたかだか人間風情に疑われてはな。対処しなければ示しがつかんのだ』


「そ、それで殺っちゃったんですか?」


『いや、奴の存在ごとこの世界から抹消したのだ。だから今奴の存在を認識しているお前はこの世界の理から外れている。つまり、我の考えは正しかった』


顔は見えないけどきっとドヤ顔してんだろうなぁ、この神様。


「ア、ハイ。いやでも、そこまでしなくてもよかったんじゃ......?」


『この世界のルールでもあるのだ。序列が低い者は序列の高い者に対して常に敬意を表し、逆らう事などあってはならないと。例外は存在するが大概は口答えすらも許されん。さらに今回の件は異世界から召喚されたお前も関わっておる。基本的には異世界から召喚された者は序列52位以上の神が関わっておるから丁重に扱う決まりなのだが......』


あれ?異世界召喚なんて珍しい事じゃないみたいな言い方だな。


『今回は何故かお前を召喚した者がその場にいなかったからな。神官も気づかなかったのだろう。許してやって欲しい』


「いやいや、死んじゃってますけど神官!神官存在ごと消されたって聞きましたけど!?」


『まぁ、よいではないか。誰も困らんよ、多分』


ソーデスカ。


なんだか凄い世界に召喚されたもんだ。




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