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HA✩HA✩HA!!玲'sジョークですよ!

【神歴二〇八〇年、一の月】


 


 蒼乃玲はごく普通の人間である。父はサラリーマンで母は専業主婦。


生まれも育ちも日本で、ごく普通の家庭環境とごく普通の人間関係に囲まれて育ってきた。


ごく普通の経歴をもつ一般人。だがそれも歳が十七半ばになるまでのことである。


義務教育を終えた後、近くの学園に通うようになり、座学の授業を無難に乗り過ごし、よし帰るか!なんて生活は唐突に終わった。


よし帰るか!と思ったら次の瞬間には知らない世界でした。


なんて……ナニソレ知らない。


習ってない。








 突然意識が身体から切り離されるような感覚を体験した少し後、俺は神殿にいた。


「なんぞこれ?」


突然目の前に広がる異世界ファンタジー感たっぷりの光景に信じられないといった表情の俺。


そんな俺を見て信じられないといった表情のおっさん。


そんなおっさんを見て信じられないといった表情の犬。


率直な感想をもう一度。


「なんぞこれ?」


午後の数学の授業を廊下で無事やり過ごした俺が人生のロスタイム?


なくね?それはなくね?そんなわけないじゃん(嘲笑)


「そこのお前!何者だ!何故そこにいる!?」


落ち着け。落ち着けよ俺の脳みそ。まずは落ち着いてこれまでの行動を振り返るんだ。


今日は朝起きて(寝坊)、学校行って(遅刻)、授業受けて(@廊下)、最後の授業のチャイムが鳴ると同時に速攻帰ろうとして、目の前に数学のハゲ吉が立ちはだかったと思ったら次の瞬間には異世界ファンタジー。


よし!今日の宿題はないな!安心して家に帰ろう!プリントをもらっていないのだから提出の義務はないはずだ!ざまぁみろハゲ吉!


「聞け!不審な奴めっ!」


だが問題はここがどこだかわからないということだ。これは由々しき問題だ。


ここがどこだかわからないということは、もしかすると俺は今日家に帰れないかもしれないし、溜まりに溜まったゲームの山が俺を置いてどこかに行ってしまうかもしれない。


母親に捨てられてしまう的な意味で。


「警告する!速やかに投降しろ!今ならばまだ弁護人をつけることが可能だぞ!」


まぁ、それも確かに問題なのだが、今さしあたって問題なのは、俺に杖のようなものを向けてくるおっさんだろう。


「HA✩HA✩HA!どうしたんだい、おっさん?トロール用の爪楊枝なんか持ち出して?腹でも痛いのかい?」


刹那、俺の体が浮かび上がり上下がひっくり返る。と思ったらそのまま重力に逆らわず落下。


ナニコレ痛い。


異世界人向けに咄嗟に考えた玲'sジョークじゃないか。そこは「おぉ、なんてユニークで面白いギャグを言う奴なんだ!なにか困ったことがあるならお前を家に送り届けてやるぞ!」なーんて返すところだろ!


なんで神殿に犬がいるかは知らんがほら、犬も笑ってんぞ? ※笑ってない




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