外伝9
更新が遅れました。
大変申し訳ありません。
引き続き外伝の続きです。
説明は外伝1へ。
多分次で外伝はラストになると思います。
「歌えなかった歌」
また、一人。孤独。
伝えたい想いは、今度も、誰にも、何も、伝わらないまま……。
視界がぼやけ、記憶の中を駆け巡るやけに鮮明な思い出が、なんだか溢れ出しそうで……零れ落ちそうで……。
素直に涙を流すこともためらわれて……。
二人でいた頃の思い出は、このまま一人で持っていくには重すぎるから、ちょっとここらに置いていくことにしよう。
これは記憶を振り払うための決別の歌。
歌おう。
今日は七夕。
二人の約束の日。
幼い頃の思い出と、今頬を伝う熱い何かを、振り払うために。
歌うんだ……あの歌を!
「
信じてたものは 今もあの日に 置き去りのまま
表に出てくる感情が いつでも本当とは限らない
失いたくないという想いが いつからか失われ
信じたいという願いが 信じられなくなって
伝えたい想いは 伝わらないまま
時間は流れていく だから
」
(
そんなにすぐに 信じないでよ
ずっとずっと そばにいたじゃない
なんでなんで 分かってくれないの 本当の気持ち
全部全部 素直に言えるなら 誰も困らないはずでしょ
)
「
裏に潜んだ衝動が どうして本当に止まらない
君はあの日のままでいて 笑ってくれればそれでいい
変わらないモノは無いなんて 言わないでそんなこと
ずっとずっと そのままで
もっともっと君と居たかった だけど
」
(
そんなの全部言えはしないから
どこか遠くにぶつけてみるけど
やっぱやっぱ 消えはしないから 本当の気持ち
全部全部 素直に言えたら 何か変わるのかな
)
「
顔に映しだす表情が やっぱり上手に動かせない
二人で ずっと 一緒にいるって
二人が もっと 遠くにいたって
二人は きっと 繋がってるって
交わした約束は 二度と戻れない日の
思い出 誰か
」
(
最後の お願い聞いてよ
もっともっと そばにいたいから
早く早く 伝えたいから 本当の気持ち
全部全部 素直に言うから
きっときっと 応えてね
)
優海が何を伝えたかったのかは、もう分からない。
だけど……。
「ずっと、そばにいる」
つぶやく言葉は、もう、誰にも届かない……。




