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外伝6

外伝の続きです。


説明は外伝1へ。



「ゲス顔の俺が機械萌えなわけがない」




正直に言うと、歌の練習ばかりで飽きてきた。


何か他のことをしたい。そんなことを考えた俺が何をするか?もちろん寝る……。


『デートすっか‼』


なにか聞こえた気がする。


きっと気のせいだ。あるいは木の精だ。


俺の他に生き残っている人類がいない以上は妖精的な何かだろう。


声を出しすぎてとうとう妖精(きっと幻覚)まで呼び出してしまったのか。


どれどれ、木の精っていうのはどういう姿をしているだろうか。


ゆっくり振り返るとそこには、


……優海がいた。


「何でお前が……」


言いかけて気づいた。よくよく考えれば声がどことなく無機質だった。


ということは、


『私だ』


「お前かよ……」


完全に騙されそうになった。だって、


「お前ってそんなこともできたのか」


顔が、俺のよく知る顔。つまりは、優海の顔と全く同じ顔になっていたからだ。


『私ってば万能だからね!本気出したらなんでもできるよ!リクエストしてみろ!』


「だったら、二度寝させろよ」


 『……え?でもそれは……』


「ん?なんでもって言ったよね?」


 『…………』


やめて。そんな目でこっちを見ないで。


ちょっとむくれたような顔で下から覗き込むようにこっちを見るのをやめるんだ。


俺に機械萌えの趣味は無い。断じて無いんだ。


でもその顔で、その顔で涙目は反則だ。涙目はヤバい。


本当にアブノーマルな趣味(機械萌え)に目覚めてしまう……‼


……涙目?


 『あ、目からオイルが……』



機械萌え?どこの原住民の言語だよ……。アホか?度し難いレベルのアホなのか?



それと、やはり俺が二度寝することは許されないらしい。


「ユミ」曰く、


『本気出せばとはいったけど、別に本気出すなんて言ってないし!』


なかなかひどい言い訳だと思った。


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