表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

狼も来たっ!

「はっはっはっはっはっはっはっ」

走る

木を避け、地を踏み締め、息を切らしながらただ走る

無駄にハイスペックなこの体

正直、最初の二キロは全力疾走でも息が切れなかった

それなのに、今は喉が痛くなってもまだ走っている

それに、背中が熱い

最初、無属性魔法について考えていたとき後ろからやられたせいで背中にかなり大きな傷が出来ている

原因は後ろにいる


「グギャァァァ!!!!!」

魔物

狼を一回りも二回りも大きくしたようなそんな魔物から逃げている

だが、もうそろそろ限界だ

足はガクガク震えているし、魔物も近づいてきている


ガクッ

「くっ

はあっはあっはあっはあっ」


足から力が抜け倒れてしまった


「グギャァ」


のそのそと私がもう走れないのを知ってか、怖がらせるように少しづつ近づいてくる

なんだか、ニタァと笑っているような気もする


(ああ、死ぬのかな)

と他人事の様にその様子を見ていた

すると、


「グギャッ!?」

いきなり狼のような魔物が違う方向を見た

つられてそちらを見ると


「何をしている?

・・・人間?

何故人間がこんなところに・・・」


女の子が立っていた

その子は何か呟いていたが、見た目は私よりも幼く見えたため思わず

「にげろっっ!」

そう、叫んでしまった

自分だって今死ぬところだったくせに、あの子を助けられるわけでもないのに

でも、私が(・・)死ぬのは(・・・・)いいが(・・・)あの子は、他の人は死んでほしくない

動けないからだを無理に動かし、ギリギリ腰に着けていた刀で体を支えながら立ち、狼に刃を向ける


勝てないことは分かっている

今だって腕が震えている

けど、あいつがこちらを殺そうとすれば、あの子は逃げれる


そう思った、だが


「ほう、自分が死にそうな時に人の心配か・・・

面白いな、人間

だがな


人間に心配されるほど我は弱くないぞ?」

そう言いつつ女の子は狼を見た

たったそれだけで

「キャインッ!!」

狼は逃げていった

そして、私は安心してしまい意識を失った


☆☆☆☆☆

面白いやつを見つけた

高々ブラックウルフの変異種程度に殺されかけていた脆弱な人間

正直、人間は嫌いだ

弱い癖に数は多く醜くこの世の王を気取っている

普通の人間は自分が死にそうになったら他人を殺してでも生きようとする

なのに、こやつは違った

逃げろと言った

おかしなやつだ

だが、そこが気に入った

気を失ってしまったが面白いから我が拾ってみよう

アドバイスや感想あったらくださーい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ