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殺人サイト  作者: ノミの心臓を持つ男
4/13

死遊戯殺人 イー4

話の区切りが良いところで、今回は短めです。


ブックマークありがとうございます。

初ブックマーク感動しました\(^o^)/

 直哉は鈴村 絵美の家にやってきてチャイムを鳴らした。

家の中には誰もいないのか、返事はなかった。


「鈴村は留守か……」


 直哉が帰ろうと体の向きを変えたとき、誰かに見られているような視線を感じて振り返った。

すると二階のカーテンが揺れていた。誰かいるような気がしたが人影は見えない。


「鈴村?いるのか?」


 声を張り上げるが、返事はない。

気になった直哉は、どこかに入れるところは無いものかと家の裏手に回る。

 大きなリビングの窓からのぞく部屋を見ても誰もいないようだ。

一つ一つ窓が開いてないか確認していき、風呂場の窓が開いていた。

 風呂場といっても普通の大きさの窓をしているので、直哉が入るのに苦労はなかった。


「入ってみるか」


 直哉は揺れたカーテンが気になって中に入ることにした。

不法侵入だということはわかっている。

 それでも気になる気持ちを抑えられなかった。

正木の事件以来、高ぶっていた気持ちが直哉の背中を押したのかもしれない。

 直哉は窓を乗り越え、風呂場に着地する。


「お邪魔します」


 なるべく小さな声で、直哉は挨拶をした。

様子を窺うように風呂場から出ると、洗面所兼脱衣所になっていた。

 洗面台には歯ブラシが四本置かれていた。

洗面台の横に洗濯機が置かれており、洗濯物は入っていないようだ。

 家の中からは物音一つしないので、直哉は洗面所の扉を恐る恐る音が出ないように開いていく。

 顔だけを洗面所から出して、外の様子を窺う。

洗面所の外は廊下になっており、目の前には扉がある。

 外から見た家の構造を考えると、目の前の扉はトイレの扉だろうと判断して、直哉は玄関の方に視線を向ける。

 洗面所から見て右手側に玄関があり、リビングと階段は玄関の前に配置されている。

扉で隠れていた左側は、直哉が扉から出て確認すると壁だった。


「誰もいないな」


 直哉は人の気配がないことを確認して、洗面所から廊下へと出ていく。

足音を出さないように、ガラス扉になっているリビングの中を覗く。

 リビングには誰もいないようで、窓が換気扇から入ってくる風で揺れていた。

鈴村の部屋は二階だろうと判断して、階段を上がろうと近づく。

 階段の手前に扉が見えた。一階にはまだ部屋があるらしい。

今は鈴村の部屋に行くことが先決だと考え、階段を上がることを選んだ。

 二階を上がると三つの扉があり、鈴村には一つ年上の兄がいたことを思い出す。

一つは兄の部屋だろう。もう一つは両親の寝室だろうか。

 鈴村本人の部屋にはプレートがかかっていた。そのため、すぐに絵美の部屋だと判断することができた。


「ここか……」


 直哉は扉を開けるのを躊躇った。一度落ち着くために息を吐く。

家の中に人の気配なかった。大丈夫だと自分に言い聞かせ扉を開ける。

 恐る恐る中を覗き込んだ。様子を窺おうとして中を見て息を呑んだ。


「なっ!」


 直哉が見たものは独楽だった。

四人が独楽を模るように縛られ、ロープでグルグル巻きにされている。

 一人一人伸ばされた両手を四人はしっかりと握り合い。

背骨が曲がる限界を超えて、無理やり反らされた背骨は異常な曲がり方をしていた。

 普通の人間がこんなことをできるのだろうか?四人の足を一つにするために骨を折り、無茶苦茶に曲げて絡み合わせている。無理矢理一本の足を作り出したのだろう。

一本の足となった四人は不安定な身体を、ロープでグルグル巻きされて宙吊りにされていた。

 直哉は部屋の中に入る。 

死体に触ることなく、正人のときのような手掛かりはないかと部屋を物色しようと思ったのだ。

しかし、特に変わった物はなく、空振りに終わってしまった。

 ふと窓の方に近づくと、髪の長い女性がこちらを見ているのに気付いた。


「飯田先生?」


 直哉はその人物の名前を口にする。

遠目で確認できないが、確かに飯田 直子だったと直哉は思った。


「どうして鈴村の家に?」


 飯田は鈴村 絵美の担任ではないため、一教科を担当しているに過ぎない。

すぐに疑問が浮かんできた。直哉が考えている間に、飯田は去って行った。


 部屋の中をじっくりと観察を終えた直哉は、部屋から出て静かに扉を閉める。

改めて自分の置かれている状況を考える。今の状況は第一発見者ということになるのだろう。

 二度目の第一発見者となれば警察の疑いが強くなる。

それでも鈴村をこのまま放置しておくことはできない。 

 

 直哉は覚悟を決めて、玄関へ向かった。

飯田ともう一人、直哉は家の周りをうろついている人物を見つけていた。



 ずっと直哉は人の気配を感じていなかったはずだった。

その姿を見ている者がいたこに気付かずに……



ここまで読んで頂きありがとうございます。



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