別れ
あぁ…そんな事もあったな…でも…
「なんで、これを思い出させたんだ?確かに始めに戻れた感じはするが…なんでこれを…」
『そんなこともわからないのか…大きくなっても僕はばかのままなんだな。僕は大人になんかなりたくないよ。これが僕の攻撃。口頭攻撃だよ。僕の特別な武器はない。だからこそ、相手を弱らせるための頭脳だけ与えられた。だから、君の弱点も魔法も知っている。魔法は、レーザー光線。しかもまだ使いこなせていない。弱点は、勉強も顔も何もかも自信にもてないことだ。それと孤独。親も友達もみんな自分から離れていき、しまいには1人が楽などと嘘をつき、嘘に嘘を重ねて今の自分ができている。お前はそんなクズ野郎なんだよ!だからさっさと、くたば…』
「そうだよ。」
『…え?』
「確かに俺は孤独だよ。言われた通り、嘘ばっかついて、自信も持てなくて、何もかもダメダメで。でも、俺はまだ心が残っている。先祖代々に貰った優しい心がある。俺は自分の心は誰よりも優しいと思っている。そして、俺だってそんな挑発でカッとなってビーム出したりするような子供でもねぇ。成長もしてる。わざとカッとさせようとして、お前を早く倒して、帰らせようとしてくれるお前が一番優しいと思うがな。」
『そんなこと、敵の僕がするわけがなかろう。夢ばかりみてるのはわかるが、寝言は寝てから言え。俺はお前を倒したら、ここでの評価があがる。上に上がればこの世界から出て、俺の行きたい場所にだっていける。ちょうどお前を倒したら、ここから出れる。出たいんだよ。だから倒したい。なのに、優しくするわけない。わかったか。低脳。』
「わからない。だが、俺はここでやられたやつは皆、強さで負けたわけじゃなく、心の緩みだと聞いた。(キィからだけど。)それでお前は悔しくないのか」
『だまれ!!!辛い過去を消そうとしてた分際で…俺に優しくするな!お前の過去なんだぞ!過去の自分に何をいっても無駄だ!そして、下手に攻撃して殺しても今のお前が死ぬ。だから攻撃も出来なかろう!さぁ!俺の攻撃で、苦しみそして死ね!』
「同じ俺なら、同じ痛みを持っているから、分かち合うことができるだろう。この痛みを分かち合う人など俺にはいなかったからな…」
『だまれだまれだまれだまれ…』
「君と離れるのが嫌なぐらいだよ…でも、ごめんな…これ以上海達を待たせることは出来ないんだ。俺の今の大切な友達だ。未来の俺にも友達ができる日が来る。それまでの辛抱だ。」
『ぐ…ぐああああ…ぁあ…ぁぁ…!』
言葉にならない言葉が昔の僕の口から出たと思うと、口から白い魂のようなものが出てきた。抜け殻となった、昔の俺の体はその場に倒れこんでいる。死んだら俺もこうなるのだろうか…想像しただけで恐ろしい。出てきた魂は、その場で微笑みながら静かに消えて行った。
「君の…昔の僕の弱点は『優しさ』だったんだよね。自分を自分で傷つけることは絶対にしたくなかったんだ。だから、僕にはこの方法しか出来なかった。キィ曰く、その消えた魂はまた心を洗い直し、再び新しい気持ちで戻ってくるといっていた。その方法が1番幸せになれると聞いていたからね…俺もここに来て、忘れていたものを思い出せた気がしたよ。また何処かで会おうな!それまで見守っておいてくれよ!!!じゃあな!」
誰もいない水色一色の場所で1人で叫んでる俺も俺で寂しい頭のおかしいやつだが、これを言わずに帰ることは出来なかったんだと思う。言い放って、先の方の扉に向かって歩いた。扉に手を掛けた時、後ろで誰かに話しかけられたような気がした。俺は何と無くわかったから、そのままドアを開け、みんなと合流するために、歩いて行った。
「…また……何処かで……」




