気味の悪い空飛ぶネコ
あれから高城さんからこの世界のこと色々聞いた。ここは人間界の真逆の世界ということや、それぞれ自分特色の魔法が使えるようになるとか…
「ところでいろいろなんでお前なんでそんな詳しいの?」
「…1度間違えてお父さんと来てしまったの…。その時が初めてで…今日が二回目。学校に本を持って来たのも昨日の夜うちの犬が加えて置いて来てしまっただけなの…家から出したことのない本なのに…」
「なるほどな〜…じゃあ戻り方もわかるんじゃねえの?経験者なんだし。」
「それが…あの時はお父さんが何かを倒してた気がするの…魔法で。私はその時後ろで泣きながら歩くことしか出来なくて何も覚えてないの…お役に立てなくてごめんなさい…」
「いいっていいってー」
つまり自分の魔法でその化け物を倒さなきゃ帰れねぇってことか…俺の能力…か。
「ところでその魔法ってどうやって出すの?」
「あ、それはそれぞれの魔法によって違うからわかんないや!私みたいに自然にあるものなら手からとかでるけど」
といいながら、高城さんは手を鉄砲の形にすると人差し指から何か冷たいものが飛び出した。
「冷たっ!え!?どうなってるの!?」
「これが魔法だよ!私は『水』らしいの〜」
なるほど…俺はなんなんだろ…
「基本は実戦でそれは気づくことが多いよ〜ほら、ここの動物に攻撃しようと念じてみてー!」
そういわれた海は念じ出した。そして、手から火のようなものが物が出て来てそれは剣へと変わった。赤く光るよく切れそうな剣はその動物を見事に切り裂いて行った…
「…残酷……」
俺の口はこんな言葉を放っていた。
でも、それを倒さなければ生きては帰れない。ならば、力強い味方かもしれない。
「すげぇなおまえ」
「自分が一番びっくりしてるよ…」
「じゃあ俺も…」
と、そこにいた空に浮いたこちらに向かってくる猫に向かって念じた。
「あ!その子はだめ!」
「え?」
その時には俺の目からは何か赤い光を放っていた。どうやらビームらしい。そのあと指からも出せることが判明した。そして浮いた猫は華麗によけてこちらにすごい速さで向かって来た。
「やめんきぃーーーーーー!」
「いたっ!」
叫びながら俺のおでこに直撃して来た。
「その子はここの案内係の子なの。名前はキィ。」
「いきなり攻撃とは失礼なやつきぃ…そして、これからよろしくきぃ!」
「「よろしく!」」
「こんなのが普通になるなんて…ぜってぇありえねぇ…」
こうして、俺たちの異世界の長い旅は始まった。