とある異世界のラーメン求めて王都へ行く青年
今日、僕は王都に向かう。
初めて。
僕は最近、郵便鳥という魔獣が運んできたチラシを見た。
そこには、料理の写真が載っていた。
そこに写っていたのは、
透き通った黄金の汁。
その透き通った汁に、繊細な細い麺が横たわっていた。
そしてその上にある、具材たち。
おそらく、魔獣ブーだと思われる、厚切りの肉が二枚。
脇に並べられているのが、まるで森のような緑の、おそらくホセー草と呼ばれる緑の薬草。
そしてその中心には、おそらく魔物のコケッの卵である卵が鎮座している。
それらが完璧なバランスで配置されていた。
それを見て僕は確信したね。
この、十五年の中でおそらく一番の料理だと。
そして決めたんだ、王都に行くことを。
そのチラシに写っている嗜好の料理を。
‐‐‐
「あんた、大丈夫?いきなり王都に行くなんて言って、王都までどれぐらいあるか知ってるの?」
「大丈夫だよ母さん、なんたって僕はこの、スキル『魔獣使い』があるからね。乗せてもらえば問題ないよ」
「で、その魔獣はどこにいるんだい」
「まぁ、向かってる途中に見つかるでしょ」
‐‐‐
「さて、行く前に準備をしないとな」
初めての冒険だ。
準備を怠ってはいけない。
まずはでっかい鞄だ。
なるべく多くはいるのがいい。
「母さん、でっかい鞄ない?」
「知らねーよ」
「はい………」
………。
まぁ、小さい鞄しかないしこれでいいや。
気を取り直して、一つ目に持っていくものは、サバイバルナイフだ。
これはとても便利な品物だ。
木を切って薪を作れたり、料理にも使える。
そして、いざとなった時の武器にもなる。
………まぁ、使わないだろう。
そう信じている、信じているのだ。
続いて、二つ目は、小さいテントだ。
これはデカくなくていい。
使い方は分かるだろう。
そして最後。
最も重要な………。
食料だ!
持っていくのは、ピチピチの缶(魚の缶)、干し肉、みみ缶(桃缶)、ノビル(餅)、マゼタヤツ(クッキー)、アマイヤツ(チョコ)、―――――――。
まぁ、全部一つずつ持ってけばいいか。
‐‐‐
ついに王都に向かう日が来た。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
‐‐‐
王都までの道のりを確認しよう。
まぁ、言ってしまえばずっと森だ。
まず、このムーラ村から王都までの距離は、約六百三十四キロ、約一週間掛かる。
ふふっ、でも俺が持ってるこのスキル『魔獣使い』を使って、早い魔獣を捕まえられたら、三日ぐらいで着くと予想する。
「よっしゃー、魔獣出てこーい」
――一時間後……。
「いねーなー」
――二時間後……。
「でーてこーい」
――三時間後……。
「………」
――四時間後……。
「いねーな!」
あれ?こんなに魔獣っていなかったけ。
こんなに森って平和だっけ。
まぁいいや、食事に移ろー!
「えへへ、美味そー」
今食べるのは、ピチピチの缶だ。
いやーこの匂いがたまんねーんだよなー。
せっかくだし火を起こして、焼いて食べるか。
「カンッ、カンッ、パキッ」
やっぱ、サバイバルナイフは便利だな〜。
「よしっ、火起こせたし焼くかー」
「グォーーーーーーー」
「何だ!?」
………おいおいおいでっかい鳥の魔獣じゃないか。
いや、落ち着け。
ふぅ……。
「スキル『魔獣使い』っ」
「グォーーー。グォーー?クォ?」
「よしっ」
いや、強くね俺のスキル。
「よし、鳥……」
名前……。
「クォクォ、俺を背中に乗せろっ!」
「クォ!」
「おおっ、じゃあ早速レッツゴー!」
‐‐‐
「………」
「クォ?」
「………」
「クォ?」
「………いや速すぎだろ!」
いやー、もう寝てたら着いたね。
「ふー、じゃあさっそく行くか」
「クォ!」
「…?クォクォは行かないぞ」
「!」
「お留守番だ」
そんな顔するなって。
お土産買っておくから。
‐‐‐
さて、ここか。
『ラーメンご好評により材料不足で、しばらく休みます、なので来月まで休業です。ごめん!』
ふ、ふざけるなー!!!
‐‐‐
「はははー、ラーメンでガッポガッポだー」
俺は、転生者、日本からのだ。
俺は………。
ラーメンの店主になりたかったッッッ。
しかし現世では、不慮の事故により死んだ。
目覚めたら転生者したってんだ。
俺は決めたね。
今度こそラーメン屋の店主になろう。
そこからは、大変だった。
森に入り。
たくさんの材料を集め。
そこから編み出した。
スープと麺、そして材料。
そこからは、すぐだった。
店を借り、店を出した。
最初は、大変だった。
けどそのうち、段々人が増えていった。
そして。
ガッポガッポというわけだ。
俺はこっちに来てよかったと思っている。
「おーい、ラーメンだせやー!!!」
まぁ、最近材料がなくて休業してるんだか、休業してから、こういう輩が増えてる。
こういうのも含めていいよな〜。
うん。




