異世界へようこそ！こちらのプランはいかがでしょうか
「それでは勇者様、異世界で滞在するにあたって、プランを三つ程用意しております」
最近流行りの異世界召還、まさか自分達がそうなるとは思ってなかったけど…なんだろう、何かホワイトボードっぽい大理石に間取り図、何これ不動産屋さん？
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
つい10分程前、俺は学校に行こうと同性の友達３人と女友達１人で歩いていたら突然足元が光って異世界に召還され、そして王様やお偉いさんの挨拶が終わりすぐに長テーブルがある会議室の様な場所へと案内された。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「それでは勇者様、異世界で滞在するにあたって、プランを三つ程用意しております」
そう言って、何かちょっと偉い人が大理石ボードに間取り図を貼る。
「まずこちらAの王城離宮至れり尽くせりプラン、衣食住の衣から説明させていただきますね。
『衣』はこちらで普段着、寝間着、鍛練着、戦の際の武器防具全てを提供させていただきます。
『食』は３食全てこちらで提供、戦時の携帯食もこちらで提供致します。
そして最後の『住』ですが、王城の隣にある離宮が住居となりまして、掃除、洗濯等は全てメイドに申し付けていただければ大体翌日にお渡しできますし、浴場も完備しておりますので毎日好きな時間にお入りください。
その他、鍛練はもちろん現役の騎士からと神殿の白魔法士と宮廷魔法士から、魔法の勉強は王城の図書室にも関係資料ございます。
そしてお手当てなんですが、お一人様月に10万ゴールドとなっております、これは自由に使えるお金です、城下町等で気分転換する際にお使いください、注意点として風俗関係は使えないのと、城下町へ出る際は前日かその日の朝に届けを出さないと出られませんのでご注意を」
何この至れり尽くせり、プラン名もどこかの旅館なの？まあこれ以上の良いプランもなさそうだけど…、お、次は厳ついおっさんだ、何？冒険者ギルド長？
「俺が持ってきたプランBは、城下町でのんびり自由プラン。
衣食住の『衣』だが、最初に平民が着る普段着を3着と鍛練用の皮鎧、皮盾と鉄剣を支給。
『食』は最初の１ヶ月だけ冒険者ギルド内にある食堂と酒場で無料提供。
『住』は大中小の部屋が一つずつある小さな一軒家だ、これを一人ずつ用意しても良いし、一つを数人で住んでも構わない、掃除洗濯は先程同様１ヶ月だけ主婦ギルドが無料でやるが、その後は自分でやるか、定期的に主婦ギルドにお金を払って頼んでくれ。
鍛練は冒険者ギルドにかならずBランク冒険者がいるからそいつらから教わってくれ。
月の手当ては30万ゴールド、家賃は国が6、ギルドが4もっているからそちらは払わなくても良いが基本自分達で生活してもらうため、離宮プランよりも手当ては高い、それに鍛練以外にギルドの依頼をこなせば手当て以外に報酬ももらえるし、このプランなら風俗はありだ、ただ注意点はそれ関係の病気と行き過ぎて金がなくなる事だな」
お～、さっきみたいな至れり尽くせりじゃないけど、これって何気に憧れの独り暮らしか…、風俗関係は行かねーよってさっき心の中で思ったけど、ありならありで何か嬉しいかも…、次は…………何か綺麗だけどごつい女だ。
「私が考えてきたプランCは、辺境伯領で誰より早く強くなろうだ。
衣食住だが、ほぼプランAと同じ、少し違うのは全部自分次第という事だ。
その日鍛練する場所に私の領地にいる兵士一人をつける、そして魔物を狩りながら帰ってくればいいと言う簡単な訓練だが、『衣』は新しい物を支給されるまでに魔物に裂かれないように、裂かれて次に間に合わない場合、屋敷内のお針子から布と針を借りて自分で直すように。
『食』は屋敷では時間通りに作るが時間までに帰ってこれなければ抜き、だが領地にある茸や山菜は自由に食べてかまわない。
『住』は鍛練から時間通りに帰ってくれば柔らかいベッドで眠れるが遅れれば、屋敷に入れる事はできない、だが領地にある木や草を切って小屋を作るのはかまわない。
まあ多少厳しいが、自由度は高いはずだ、ちなみに月の手当ては50万ゴールド、頑張った褒美は高い方がモチベーションが上がるからな」
……すげえスパルタじゃん、死ぬんじゃ、いや死ぬね、誰選ぶの？手当て高いけどいつ使うの？これ選んだら次の日動けないって。
「「「さあ、どれを選ぶ？」」」
俺的にBだけど…あ、女子が選んだやつにしよ、上手く行けば付き合えるかも、あ、他の奴みんな女見てる、やっぱり同じ考え多い負けらんねー、AとBどちらかなー。
「私、Cでお願いします」
まさかの！？え、ちょっとどうしよ、お前らどーすんだ？俺どーすんだ！？
最終的ち女子一人はCプラン、男子二人はB、もう二人はAでそれぞれの生活を楽しんで、当たり前だがCの女子と一年後再会した時は、誰よりも強くごっつくなってしまっていた。
