外伝
思い出すのは、憎しみの記憶。
世界が憎い。
特に人間が。
多分、自分自身も含めて。
自分の命が終わる瞬間まで、そんな感情に満ち溢れていた。
そうして俺は何故だか真っ白い世界に立っていた。
上から翼を生やした奴が降りてくる。
すました面構えの180cmくらいの奴だ。
「あんたは誰だ」
「私はあなたたちの世界でいうところの、神ーの一人、或いは一部です」
「あの世に連れていこうってか?それともここがあの世か?」
「いいえ。順を追って説明します。私の神としての役目は、転生を司ります。普通の場合、こうして直接あうことはしませんが、今回は例外です」
「例外?」
外伝2
「はい。寿命を達せずに死んでしまった人霊には、そのままの年齢で新たな生を与えます」
「ほう。で?何故俺の前に現れた」
「その場合、死者の希望も鑑みることになっているのですー記憶をなくした方がいいものにはそのようにします」
「成る程な」
「貴方はどのような第二の生を望みますか」
「そうだな、とにかく、記憶はそのままでいい。そして……人を仮借なく殺せる立場がいいな」
「そうですか。だいぶ狭まりますね……別世界で、魔王の座がありますが、どうします?」
「魔王か……悪くないな。いずれにせよ人を好きなだけ殺せるなら何でもいい」
「それではそのようにします。ご武運を」
てっきり止められるかと思ったが、俺のイメージする神と違うな。まぁ、どうでもいいが。