じょうかまち
24
取り敢えずガリシア国王に会わなくちゃね。
ここはガリシア王国が辺境の村、ポポロ。
村にはおじいさんおばあさんしかいなくて、農業で自給自足している村だ。
若い人たちはみんなガリシア城に働きに出たんだって。
わたしが向かうのもガリシア城。
ガリシア王国がガリシア城。城名もガリシア。
川を上流に向かっていくとあるんだってマリアが言ってた。
大きなお城が見え始めて。
やがて広い城下町に出た。
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人が行ったり来たりしている。
露店が沢山ある。
すごーい。
まずは、宿に泊まろう。
宿屋さんに入るよ。
「一泊銀貨三枚です……」
「はい」
「二階へどうぞ……」
わぁ。二階がある!
荷物を置いてまた下に降りる。
「あの、何かあったんですか?」
ずいぶん暗い感じだ。
「一人娘が先日魔物にさらわれまして……」
「そんな……」
26
「旅のかた、この国ではしばしばあることなのです」
「なんで?魔物が人間を……」
「噂じゃ魔王がとって喰うためだとか。間違いないのは、さらわれた人は誰ひとり帰ってこないことで……」
「そう……」
慰める言葉が見つからないのでそのまま宿を出る。
とにかく王さまに会おう。
国では魔王を倒すことを何よりもの願いとしている。
そういう志願者には装備を整えるくらいのお金がおりるんだって。