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ことたまのセカイ  作者: ななし
4/13

魔法使いの弟子



13


「うぐっ」


マリアがいきなりくずおれた。


「大丈夫?マリア」


「あぁ、今日はもうこの辺にしておこう」


マリアが川に歩みより服をまくって右腕をだした。


マリアの右腕はヤケドのあとみたいになっていた。


マリアが右腕を川にひたす。


「ケガ?病気なの?マリア」


「大分前に黒炎魔法にやられてね」


「黒炎魔法?」



14


「大地に眠るマグマの力を用いた黒い炎の魔法さ」


「なんだか怖い」


「一度傷を受けると術者が倒れない限り治ることがないんだ」


「じゃあマリアも」


「昔に受けてね。今じゃ現役の魔法使いにもなれない。ポポロ村には療養で来たんだ」


「そうなんだ……」



15


わたしたちはマリアの家に帰った。


「魔法使いになりたいかい?なるなら手ほどきをするが」


うーん。


「マリアの腕をケガさせたものを倒せば、マリアのケガは治るの?」


「治せるが……私にこの魔法をかけた術者は、魔王だよ」


「マオウ?」


「魔族の王よ」


「マゾク?」



16


「この世界には三つの種族がいるのさ。人間族に魔族に竜族」


「へぇー」


「その魔族の王が魔王」


「強そう」


「強いよ。私は勝てなくて逃げ帰るのが精一杯だった」


「マリアが?」


「えぇ。そして、魔族の魔力の根幹となっているのが魔のオーブだ」


「魔のオーブ」


「えぇ。これが魔族のアキレス腱。でもそのオーブは魔王が守護している」


「魔王を倒さなきゃ手に入れられない?」


「えぇ。魔王は私より強いが。それでも倒せると思う?」


「うーん。倒すよ。それでマリアのケガが治るなら」



17


「そうか……なら君の呼び名を決めなくちゃね」


「マリアが決めて」


「そうかい?それじゃ、私の弟子になるなら……ユリアで」


「いいよ。マリア」


「よろしくね。ユリア」


「よろしく。マリア」

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