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ことたまのセカイ  作者: ななし
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エピローグ


1.


8日に1日はピノのお城に行くんだ。


この世界にも一週間みたいなのがあってそれが7日じゃなくて8日なの。


ピノは将来おうさまになる為の勉強で忙しい。

でも8日に1日だけは解放されるんだって。


 

城下町を抜けると門の兵士さんが


「お早うございます、ユリア様。只今開門いたします」


と言って門を開けてくれる。


「ありがとう」


お礼を言って中に入る。


そしていつものようにお庭のテラスでピノと向かい合って座る。


メイドの人が紅茶とケーキを持ってきてくれる。


「前世の話を聞いてもいいかな?」


ピノにはこの前オーブにふれた時のことを話してある。


「うん。私は戦争が絶えない別の世界にいたんだ」


内戦がずっと続いている貧しい国。


そこでは少年が戦争に駆り出されることも珍しくなかった。


わたしはそこで生まれた。


親が死ぬ人も珍しくなかった。


わたしのお父さんお母さんも死んじゃって、わたしは一人になった。


そのあとは似たような子たちとチームで物を盗んで暮らしていた。


何が正しくて何が間違っているのかもよく分からなかった。


そんな暮らしの中、物を盗んで見つかって逃げる最中に転んでしまって。


「そのまま…」


「そっか…」


ピノは黙ってきいてくれた。



2.


魔のオーブが闇の力を失ったことで、魔物の魔物化もなくなったんだ。


魔物と呼ばれていた存在は、動物に戻った。


「マリアさんは元気?」


「ぴんぴんしてるよ」


魔のオーブが闇の力をなくしたことで、マリアのケガも、よくなったみたい。


今は魔王城はお花畑の観光スポットになってるよ。


「それで、魔王ーカケルは元気?」


「うん。相変わらず村のおじいさんおばあさんにこき使われてるよ」


魔王の元世界の名がカケルらしい。


魔のオーブは以降ひからないし黒いうずまきのようなオーラも出なくなった。


魔王は闇の炎の力を失った。


わたしとカケルと、マリアさんはポポロ村で暮らしている。


あ、おじいさんおばあさんには元魔王なことは内緒なんだ。


おじいさんおばあさんしかいないポポロ村では若い男手は必要だ。


カケルはひっきりなしに色んな家で仕事をしている。


こき使われているけど頼りにもされている。


「大変だけどやりがいがあるみたい」


「そうか」


多分、彼に必要なのは誰かの役に立つことだったんだ。


カケルのこれまでの所業をよく思わない国民は多い。


王さまを始め、国の偉い人たちは断罪を求めたらしいけど、


ピノがそれを巧くなだめたみたい。


そしてわたしとマリアさんがお目付け役ということでポポロ村でいっしょに住んでいる。


魔王は今では一般人と変わらない。それでも暴れたときは魔王を倒した片割れとその師匠が食い止める、と。こういうリクツで国の偉い人たちを納得させたんだって。


この8日に1回のピノとのお話もカケルの報告ということになっている。表向きは。


「平和な世には平和な国の為の政治の勉強があるんだ」


ピノはそう言っていた。どこも大変だ。生きるって凄い。



3.



「そうだ、今度ドラゴンさんを探しにいこうよ!わたしとピノとマリアとカケルと。みんなで!」


「そうだね。それも面白い」


そんなをしてお家に帰る。


まだ、冒険ができるね。

今度はみんなで。


あ、


マリアさんやカケルって言ったけど、わたしは今はそんな呼び方をしてないんだ。


「お母さん、ただいま」


「おかえり。ユリア」


「ただいま、母さん、ユリア」


「おかえり。お兄ちゃん」


「おかえり。カケル」


「はー疲れたー。じいさんたち、俺をこき使いやがって。飯まだ?」


「まずは手洗いよ」


「だりーよ」


「ダメ」


「へぇーい」


「ほら、ユリアも」


「はーい!」


「今日はカレーよ」


「やったーカレー大好き」


「何か週一で出てくるな」


「いいの」


「それじゃあみんな手を合わせて」


「いただきます」


おわり



プロットの粗さなどはともかく、最近やりたかった要素は全部やりました。

読み専も作者も異世界好きも現実世界好きも何か感じてくれたら嬉しいです。

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