ログホラ(勝手に)番外編<その2> ーヤマト勝手に創世編ー
どうもー。御久しぶりの人は、毎度どうもお久しぶり。
初めましての人ははじめまして、どうか宜しくお願い致します。の、豊福しげき丸です。
超久しぶり(○×年前)のこのフレーズ、最近またネット界で流行っている様なので使ってみました。
いやーねー。ちょっとネット界の御年寄りだからって、何でも自分が元祖みたく言うのって(苦笑)。
まー、半分冗談ですが、本当に昔はよく使ってました。
時代が一回転した感じ。
それはそうとログホラ(勝手に)番外編(その2)です。
兎に角ネタを思いつき書きたかったので、完全に一般読者置いてきぼりのガチ設定オタネタなのですが―――
実際書いてみると、あれ、こんなのは早○文庫とか朝○ソノ○マのSFでよく読んだ感じの文章に。
意外とエンタメしてますね。
そうかー、SF読みって、ひたすら科学考証垂れ流し文章とか大好きだから、そう言う人をターゲットにするなら、こういう書き方で良かったんだなー。と、遥か大昔に某SF賞に投稿して落ちた過去を反省。
ストーリーよりも科学をメインに魅せなければならないと云う、本来の趣旨を取違えていたのだよww
認めたくない物だな、若(以下略)。
まあ、お兄さんの恥ずかしい過去はともかく、ログホラだから読んだ人も、宜しければ感想下さい。
それでは、本文をどうぞ。
ログホラ(勝手に)番外編(その2)
-ヤマト勝手に創世編ー
-1-
これはまだ皆が現実地球の、ありふれた(?)ゲーマーだった時代のお話。
「おかしい」
巨大生産ギルド、海洋機構のギルド長、ミチタカのプレイヤーは、PC画面の前で唸っていた。
「何で生産できないんだ?」
『≪海洋機構≫は、コメの生産に失敗しました』
何度も何度も繰り返される、失敗表示メッセージ。
-2-
『で、何で私の所にこんな、そうそうたる面子が集まって来てるんです?』
超マイナーニッチサイト、『よっしーのヤマト天気予報』の運営者、よっしーは素直な感想を口にする。
『いや、何か米作の事で眼鏡どもに相談したら、とりあえずここに集まるよう言われた』
ミチタカがレスを返す。
『僕もですよ。一番の専門家は貴方だから、ここに集まるのがいいって』
同じく米作に挑んでは失敗し続けている、第8商店街のギルド長、カラシン。
『おや、もう来てますか?』
『眼鏡どもって……、まあいいですけど』
遅れてやって来たのはロデリックとシロエ。
『私は気象の専門家ですけど、稲作の事は詳しくありませんよ?』
『いえ、間違ってません』
『我々が話し合いたいのは、何故ヤマトが現実の日本と違い、コメの生産に適さない気候なのか?ですから』
『ああ、納得』
腑に落ちるよっし―。
『ハーフガイアプロジェクトだろ? おかしいじゃないか?』
『ミチタカさんの言う通りですよ。それに、中途半端に一部コメが生産できるエリアも有ります』
『だろ。おかしいよな? カラシン』
『まあ、麦しか生産できないエリアが多すぎるんですよねえ。実際の日本の米作エリアと違い』
『ゲーム世界を無理やり中世ヨーロッパ風にする為、と言ってしまえばそれまでかも知れませんけど、それは納得できる答えじゃありませんよね』
『シロエ君の言う通り。たかがゲーム、されどゲームですよ』
『…………あの、ひょっとして、運営に文句を言うための理論武装に加担するよう脅されてません、私?』
『イエイエチガイマスヨ』
『ボクタチハゲームヲエンジョイスルタメニデスネ』
『ディスカッションデスヨ』
『ディスジャナイヨ』
『何故4人ともカタカナなんですかあっ!?』
-3-
『まず第一に考えられるのは、やはり湿度と降水量ですね』
『あーやっぱり』
『向こうは日本より湿度低いですもんねえ』
『米だときついわなあ』
『?麦が出来るくらいなら米もできませんか? イタリア米とかカリフォルニア米とかあるじゃないですか?』
一人要領を得ないカラシン。
『逆です。イタリアやカリフォルニアは、向こうにしては湿度や降水量に恵まれてるんです』
『カラッと空が青くて、乾燥してるイメージ有りますけど?』
『それを言ったら、日本や東南アジアみたいな特殊地域を除けば世界中がそうです。何かのニュースで見た事ありませんか? 日本の高温多湿は異常で、機械や電子機器泣かせだって』
『あー』
『お蔭で日本の機器の耐久耐候性は優秀と言われる一因ですね。最近の価格品質競争はともかく(TT)』
『言うなシロエ(T-T)』
『国内メーカーも中国生産ですし、関税のかかる輸出や国際競争ですと更にね~(^^;)』
『うわー、現役機械工学大学生と、生産ギルド長達が言うと重いわー(作中設定は西暦二千十年代前半です)』
『カラシンさんも生産ギルド長でしょう?』
『自慢じゃありませんけど、広告代理店勤務のチャラ男ですよ。担当は口八丁です』
『話続けていいですか?』
『どうぞどうぞ』
『基本麦は乾燥地に向いてるんです。今でこそヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアが小麦生産の中心になってますけど、古代は中近東や、アフリカナイル地域の方が耕作量は多かったそうです』
『ほーう。すると麦でも、もう少し湿度が有った方がよかったのか?』
『中近東やアフリカが気候変動で、より乾燥が酷くなったらしいですよ』
『あちゃー』
『話は米に戻りますが、そこそこ乾燥していても作れる陸稲も有りますけど、やっぱり中国のそれじゃなく日本の水田を作るとなると、条件は限られます』
『高温多湿か』
『ええ、所謂モンスーン気候ですね。気流と海流のお蔭で、日本の夏は東南アジアと同じかそれ以上の高温多湿。世界でも異常な不快指数を誇る訳です』
『……稲に優しく、人間と機器に厳しい』
『ええ』
『それが何でヨーロッパみたいな乾燥気候になるんだ?』
『不思議ですよねえ』
『よっしーさんでも説明できないんですか?』
『いえ、無理やり言えば言えますよ。つまり海流が滅茶苦茶になっていて、常時超大規模なエルニーニョ現象に見舞われている。とかですね』
『???』
『日本の西と南、つまりインド洋と太平洋側の海が常時冷えていて海水が蒸発せず、そっちからの季節風が常に冷たく乾燥しているんですよ』
『そんなのあり得るのか?』
『地勢上まず有り得ませんね。地球の回転が逆で、海流自体が反時計回りになっているなら別ですが』
『んな訳有るかっ!?』
『いいですね。運営へのクレーム内容としては十分説得力が有りますよ』
『ディスや文句じゃ無いんじゃなかったんですか!?』
『いえ、ユーザーの尊重すべき意見ですよ』
『うんうん』
『騙されたー!?』
『うーん』
『どうしたシロエ?』
『いえ、ムー大陸が有れば説明つくな、と。流体力学的に』
『『『『はあ?』』』』
-4-
半年後。
三大生産ギルド連合艦隊は、戦闘系ギルドを差し置いて、日本、いや、世界で初めてムー大陸水中遺跡を発見。傭兵指揮官シロエの下、その攻略に成功した。
彼等が何故、ゲーム内でムー大陸の噂が流れるや否や、その正確な位置を特定できたかは、未だ以って謎とされている。
だが、後の公式発表によると、ムー大陸は、綿密なガイア理論に基づきその位置が設定されており、ゲーム内の気候設定において、太平洋暖流が海底のムー大陸に遮られ捻じ曲げられており、エッゾ帝国を除き、ヤマトに到達せず、黒潮の代わりに台湾沖縄方向から流れ込んでいるのは、南極近辺からの、比較的低温の深層海流であるが故に、ヤマトは、ほぼヨーロッパと同じ小麦の生産に向いた乾燥気候である。と、運営から説明がなされた。
一般のゲーマーたちは、
『ハーフガイアプロジェクト、パネェ! 神運営!』
と騒いだと言う。
―おしまい。ログホラ本編に続く?―
お疲れ様でした。
いかがだったでしょうか?
面白いと喜んでいただけたのならば、幸いです。
さて、ここからは自分、ネトゲ番長の過去にも絡めたお話です。
今回のお話の元になった、実際のエピソードは複数あります。
お話のメインになった気象ネタ自体は、実は恐竜生息の為の気候シュミレーションネタと言う、もっとマニアックなもので、しかもゲーム途中で頓挫したものです。
関係者の方々すみませんでした。原因は、ままれさんとあっちゃんと俺です(笑)。
ええ、この3人が主犯です。
愉快犯も多数いたけど(爆)。
処々の事情でこの人も休筆中のGさんとかは、機転を利かせてくれたKさんに感謝するように。
でも、Kさん自体、某マンガの長○な◎みみたいな人なので、余り調子に載せ過ぎないでね。
それはともかく、そんな事情も有って、今回は軽いそのリベンジ企画でもありますね(^^;)。
さて、その他の複数のエピソードにおいて、自分達の意見が実際に運営やゲーム会社を動かした件で、最も重要な事を言いたいと思います。
ちょっと長くなりますが御容赦を。
クレームや意見を言うのならば、本来『このお話』のレベルまで詰めた方がいいのです。
一人で無理ならば、それこそみんなで知恵を出し合って。
シナジーやコンボですね。
その方がお得ですし、面白いです。
文句を言うなとは言いません。
不快な事は『辛い』というのが、却って相手への親切と言うものです。
でも、それが単に「コレなんか無くなってしまえ!」では悲しい結末になります。
何故なら、貴方が不快に思うそれを、楽しみでゲームをしている人もいるのですから。
不快なモノ(時に人)を取り除くのでなく、不快の原因を探し出し解決する。
手間はかかりますが、結局はそれが、PLも、運営も、貴方の好きなゲームを、長続きさせる事なのです。
外国人はドライです。
気候そのままに。
だから、相手を言い負かすのは、あくまで戦略上必要なアピールとドライに割り切って、その後は、勝った側も負けた側も給料の為に割り切って協力します。
でも、日本人はウェットです。
気候そのままに。
ぶっちゃけ言いますが、アニメでもゲームでも、マウント取って「こいつら間違ってる、俺のが正しいぜ」と言った製作者が、原作や旧作を否定したはいいが、否定したほどの中身が無いスカスカの作品を多数見ます。
それが原因で、同会社の人気タイトルまでも予算が無くなり、中止や悲惨な出来の作品の連鎖が続くのも、哀しい事によく見ます。
にもかかわらず、海外資本の流入の影響も有って、昨今の会社運営マニュアルは、『自己アピールが上手い人を重用しなさい』と有るので、アピールだけ上手い作品作りの下手な人が、責任を取らず重用されるという事態になっています。
アピールが上手い事自体は問題ありません。
ですが、否定的アピールが上手い人は、日本の体質的に、責任者に向いていないのです。
気候そのままに。
「広くは自然、狭くは文化」「貴方のしようとしている事は小さな文革に過ぎない」
「貴方の間違った理解で、貴重な武術や文化が失われる」
山本先生の名著『セイバーキャッツ』の主人公、光の台詞です。
個人的には武術漫画どころか、コミック全般史上でも、屈指の名セリフと思っております。
日本人はウェットです。
他人に否定的アピールをした人は、余程の自制心の持ち主で無い限り、『自分が正しいから、間違った人の意見や、従来のやり方を取り入れなくていい。むしろしてはいけない』と言う、自己暗示にかかってしまいます。
責任感が強すぎるからです。
外国人はドライです。
他人と否定し合っても、得になる意見は何でもお互い節操無しに取り入れます。
これがライフスタイルや食や文化の話になると、日本人は何でも肯定的に柔軟に取り入れて、外国人は頑固なんですけどねー(笑)。
つまり、日本人は何でも鷹揚に肯定する代わりに、一度否定したら、関わる存在全て(例えそれが冷静に見れば有用な事でも)を無視する性質を持っている訳です。
アメリカ帰りの誰かさんが昔、それで困ってましたね(苦笑)。
さて、結果、否定したはいいが、実際出来上がった作品は、中身スカスカ。
自分で自分の面白い作品を作る為に必要な素材を、視野や思考から(それも大幅に)減らしている訳です。
これは製作者サイドに限った話ではありません。
プレイヤーもです。
只の否定では、結局そのゲームをつまらなくします。スカスカにします。
たとえ妄想でも、もっとゲームが面白くなる事を、不快に思う事が無くなるぐらい、緻密な配慮や設定を作った者が勝ちです。もっといえば克ちです。
相克と言う言葉が有ります。
一般に陰陽師を扱っている漫画では、如何にも単に敵の弱点属性、みたいな書かれ方をしていますが、本来は、例えば木なら、金(鋸)によって、家や家具と言う、より役立つ物に生まれ変わらせるという意味です。
克服とは、自分自身と、世界と、より仲良くなるという意味です。
互いを役立てる。
辛いに一本足せば幸せ。
そこには敗者はいません。うぃーあざちゃんぴおん(クィーンかよ)。
妄想でも、どんどんネットでシナジーやコンボしましょう。
いつまでも、大好きな人達と、大好きな日々を繰り返すために。
ネトゲ番長でした。
それじゃあ、まったねー。