迷宮の王と第六階層
ちょっと短めです。
あれから数分もたつと、第五階層へ向かう階段が見えてきた。
後ろからは奴らが追いかけてきている。
速第五階層にはいった。
流石に最終階層だけあって雰囲気が違った。
後ろから何も追いかけてきていないことを確認してから、魔法を解除して地面に降りた。
一安心したと思った瞬間、後ろから大きな声が聞こえた。
「もうっ!びっくりしたじゃない!なんでそんな急にスピード出すの!?声かけてるのに無視するし!」
「あ、悪い。ちょっとあそこからいち早く出た過ぎて夢中になってた。」
「あれ?もしかして虫苦手なのー?ねぇねぇー」
レフィーがここぞとばかりにニヤニヤして俺の虫嫌いをいじってきた。
今も俺の脇腹を肘でつつきながら馬鹿にしている。
「あぁそうだよ!悪かったな虫嫌いで!!」
「ふっふーん!キョウヤの弱点見つけちゃったねぇーだ!」
「マジで捕まえてこっちに持ってきたらレフィーごと飛ばしそうになるからやめてくれよ...」
「わかりましたよー!」
まだニヤニヤしてる。
こうなったのはこの迷宮のせいだ。絶対に許さん。
絶対にぶっ潰してやる。
「はぁ...じゃあいくか。一応俺の神眼じゃもう一階層あるんだけど表向きにはここで最終階層なんだよな。油断せずに行こう。」
「わかった!」
しかし、五階層を歩いていても敵は一体も出てこなかった。
30分くらい歩いていくと、入り口の門よりも大きく、そして豪華な漆黒の門があった。
すっげぇ。うん。すっげぇ。
「よし。この扉の先にボスがいるぞ。でもなんか違和感を感じるんだよなぁ。ちょっと警戒して。」
「わかった。じゃあ行こうか!」
俺たちは門の扉を開け...れなかった。
たぶんずっとあけられてなかったからなのか、完全にさびてしまっている。
これはちょっと全力で行かなきゃダメそうだな。
「レフィー、ちょっと避けててくれ。」
「はーい」
よし。ずっと抑えてたからな。久しぶりに本気で行こう。
フンッ!!
俺は勢いよく飛び出し、扉にライダーキックみたいなやつを繰り出した。
ドゴォォォォォン.......
大きな扉の中心にぽっかり穴が開いた。
これ扉開けれてないから実質失敗じゃね?
そう思いながら中に入っていった。
扉の奥は圧倒的だった。その様はまるでどこかの城の謁見の間のよう。
30メートル以上あるであろう天井に床にまっすぐにひかれた赤いカーペット。
その横に並んでいる太い柱。
まるでどこかの魔王城のようだ。
そしてまっすぐ進んだ先にある階段を数段上った先にある。
漆黒の玉座。
それにまるで王のように頬をつきながら座っている、漆黒の王。
全身を覆った黒いローブの中から見える、赤い二つの目。
周りに自分の力を主張するかのようにオーラを溢れ出させている。
その色は、真黒な色に紫が入っている。
これはやばいな。おそらくレフィーより強いぞ。ちょっと見てみるか。
《迷宮の王》
種族:エルダーリッチ 性別: 年齢:31233
称号:迷宮の王 伝説龍を支配する者 万年王者
迷宮を作りし者
【レベル】:1023
【体力】:32100000 (3210000)
【魔力】:57300000 (5730000)
【筋力】:5620000 (562000)
【俊敏力】:5230000 (523000)
【魔攻力】:6900000 (690000)
【魔防力】:7800000 (780000)
《スキル》
【束縛】
【吸収】
《限界突破》
なんかすごいなこいつ。
でも気になるな。
称号といい、このステータスの横のカッコといい。
あぁー!だめだ!
これ以上考えてもわかる気がしない。
レフィーには身を守るのに徹してもらおう。
「レフィー!こいつはお前より強い!だから自分を守るのに徹してくれ!俺もちょっと頑張るから巻き込まれないようにしてくれよ!」
「う、うん!わかった!」
さあ、行くか!
相手は魔法特化らしいから近接戦で行くか。
油断大敵だ。死蔵していた刀を使うとするか。
相手も剣を抜いたな。よし、先手必勝!
まずは7割くらいの力で行くか!
俺は迷宮の王の右手前まで潜り込んで、刀を一閃した。
しかし、それは相手の剣に止められてしまう。
そして俺たちは、鍔迫り合いになってお互いをにらみ合った。
グッ...さすがに強いな....けど、まだいける!
俺がもう一段階力を入れようとした瞬間。
「グガァァァァァァァァァァアアア!!!!!」
突然の叫びによって、俺は一瞬ひるんでしまった。
そしてその瞬間、王の力が桁違いに上がった。
ひるんでいた俺は、王に蹴られて壁までたたきつけられてしまった。
グッ.....いてぇ、まだあんな力あったのか。
あれ?....そうか。そういうことか。称号の意味も、なんでこんなに強いのかも。
「【創造魔法】魔力遮断」
おれはスキルで魔力遮断を使い、この部屋全体で魔力が使えないようにした。
っと、レフィーにも声をかけないとな。
「レフィー!この部屋の魔力をすべて使えないようにした!でも安心してくれ!もうあいつに勝てる!」
「え?う、うん!わかった!」
よし、ここからは反撃だぜ。
さっき蹴られた分お返ししてやる。全力でな。
俺は一瞬で王の背後に回り、王がそれに反応するよりも早く、刀を振りぬいた。
王はそれに抵抗できるわけもなく。上下で真っ二つに分かれた。
「グワァァァッァ!....アッ......ァ....」
聞くに堪えない断末魔を放ち、王は消滅していった。
・・・・・
よし....
「おーいレフィー!おわったぞ!」
「お疲れ様!でもどうしたの?相手急に弱くならなかった?なんか私でも勝てる気がしたんだけど...」
「そうだな。レフィーでも行けたと思うよ。まあ、相手が強かった理由と急に弱くなった種を見に行こうぜ。」
「え?どういうこと?」
「ふふん、それはだなぁ~」
俺は少し歩いて、レフィーから20メートルくらいはなれて、全力で足を振り下ろした。
ドォォォォォォン!!
俺の足元にクレーターができて、その穴が突き抜けているのを確認して、
「レフィー、この先の伝説龍に会いに行くぞ。」
俺はレフィーに向き直ってそう言った。
二日に一本投稿はまだ続きます。