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転生したら悪役令嬢だった!(悪役令嬢視点)

私は夢を見た。それはこの世界とは違う不思議な世界の夢で、私はその世界の、地球という星にある日本という小さな島国に住んでいる日本人だった。


毎日毎日残業残業で身も心もボロボロで、唯一の癒しは私の大好きだった乙女ゲームだった。


その私が一番大好きだった乙女ゲーム、タイトルは「夢の鍵とはじまりの願い」といい、私が学生だった頃にどハマりした作品。


略して夢鍵と呼ばれたそれは、美麗なスチルも多く人気声優がキャストを務めたこともあり乙女ゲーマーにとても好評だった。


まあシナリオとイベント、ENDの多さに公式馬鹿だろうという声も多かったが。


とにか、私はその夢鍵の大ファンだった。人生を捧げてたといってもいい。


ファンブックも買い漁り暗記するほど読み込んで、同人イベントでも推しキャラでないキャラの物にも手を出すほどに。


それが数年たった今、ようやく続編が出ることになったのだ。


私を含め多くの古参乙女ゲーマーが歓喜し、ネットでもすごい騒ぎになっていた。


毎月毎月情報が載っている雑誌を数種類買い、前作からのキャラの性格を比較したり、新キャラのルートを予想してみたり。


中でも夢鍵ファン達が注目したのは、本編で不憫な扱いを受けていたヒロインのライバルである悪役令嬢だ。


悪役令嬢といっても彼女は、最初はただ真面目ないい子で、婚約者をヒロインに奪われて、それで些細な嫌がらせがどんどんと悪質になってしまい、最後にはヒロインの命を狙う。


それが婚約者含め彼女に心酔した身分の高い人達に止められ、最終的に処刑されてしまう。


その不憫さにネットでは悪役令嬢も幸せにしてあげて!との声が多かった続編で、何故か彼女が復活しているのである!


過去の回想だけとかそういうわけでないらしく、ヒロイン達同様に少し成長した姿が出てきたのだ。


情報は少なく、名前の表記も「???」にされているがキャストが同じだし、夢鍵ファンの多くは悪役令嬢復活きたー!と歓喜していた。


その続編のタイトルは「夢の鍵とはじまりの願い〜約束の地へ〜」


約束の地って何??とも思ったが夢鍵の続編では本編で舞台だったフロロフィア魔法学校から出るようなので、もしかすると旅でもするのかもしれない。


そんな風にわくわくしながら、発売日に手に入れるのを逃すかとたまりにたまった有給を一気に取り、一番早く手に入れられてなおかつ一番早く帰宅しプレイできるであろう店にも予約を入れていた。


当日は楽しみすぎて錆びついた自転車を飛ばし、そこに30分も前に到着してしまいそわそわしながら待っていると、哀れに思ったのか店員さんが特別に早く受け取らせてくれたのだ。


私は何度も頭を下げ、一刻も早くプレイするために行きと同じように自転車を全力で漕ぎ………。


その時、溜まりに溜まった疲労が一気に出てしまったのだろう、一瞬視界が真っ暗になった。


真っ暗な視界の中、高く響き渡る車のクラクション。

そしてどんと強く何かがぶつかる衝撃に私は宙へと投げ出され、そこで終わった。


そんな夢、夢であるはずのそれ。


あの時の事故で亡くなったと思われる日本人女性の一生が私の頭に入り込み、その中の一番好きだったその乙女ゲームとこの世界が酷似していた。


酷似どころかそのままじゃない!!


「これ……私が……悪役令嬢じゃない!!」


どうやら私は乙女ゲームに出てくるヒロインのライバルである悪役令嬢に転生しまったようです!!?

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