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さらさらの長い髪

目の前で入学式で行われる説明をしてくれているこの人はどうやら学校の先生らしい。たぶんだけど。制服着てないし。


入学式は途中から入ることは禁止されているらしく、代わりに終わるまではこの人と一緒にいて、終わったタイミングで他の新入生と合流することになる。


入学式では魔法を使う場面がいくつかあるそうで、それが遮られると危険だそうだ。


それにしても、先生枠のいる乙女ゲームかぁ。と相槌を打ちながら彼の姿をもう一度じっくりと観察する。


銀色の髪は良くここまで綺麗に伸ばしたなって思うほどで、少し動くだけでさらさらと流れる。


静電気が発生しないのか綺麗にまとまっていて、正直いうと羨ましい。枝毛とか知らないでしょ。


私の髪は、頭の中のお花畑感を出したかったのかは分からないけどふわふわしていて、結いあげたりするのには向いていないと基本的に下ろしたままだ。


いや結い上げたりしたら可愛くなると思うが、綺麗に結い上げるのに時間がかかる。器用さが欲しいってなる。


……髪質交換してほしいな、切実に。


せっかく可愛い顔になれたと気付けたから髪型とか色々とやってみたい。とそこまで考えて一つの答えに辿り着く。


これ、この先生の髪で遊ぶようなイベントがありそう。


主に長髪キャラで定番イベントの一つだ。


貴方の髪綺麗ねとか、私の髪はこうだから…みたいな話をすると大抵相手はお前の髪の方が云々と返してきたりする。


スチルで相手の髪を触ってるヒロインとか差分で髪を触られているところとかが出るのは割とよくある。


もちろん例外も存在するが、基本的に綺麗には綺麗で返すのが礼儀なのか?ってレベルで見かけた覚えがある。


これでもし色が異質とされていたりした場合、髪色に関することにヒロインが口を出してキレられて距離を取られるようになるか、ヒロインが綺麗な色とかいって相手の心をぐっと掴む、好感度が上がるようなのパターンもある。


まああとはヒロインが綺麗な色っていうのに対してお前の色の方が綺麗だ。って例え話が出てきて、この色好きだみたいな感じでその好きって言葉にドキドキして恋を自覚するイベントとか。


髪だけでなく瞳もよくある、紅い瞳とか結構人気で悪魔の目とか血色の目とかそういうので出てきたら9割近くのヒロインが目を綺麗と言ってるんじゃないだろうか。口説いてる、強い。


ただ場合によってはお前に何がわかる的なノリで殺されるから乙女ゲームヒロインも楽じゃないと思う。


………いや、私今そうだけど、こういう悪役令嬢もの系ってヒロインちゃん周り強いじゃん?なんか可哀想なくらい悪役令嬢の方に不幸回すじゃん?


なんかこう、悪役令嬢、お前がヒロインだって言いたくなるレベルで。いやそうなんだけど、


話が逸れてきた頃に次に彼の目に注目する。

眉間にシワが寄っている気もするがそこはスルーしよう。


睫毛長い、うん、なっがい、スチルで目元結構アップされそう。


この原画担当さんは瞳を、というか睫毛を描くのが好きなのだろうか。


鏡で自分の顔を見たときにも思ったが睫毛が凄く丁寧に描かれている。ちゃんとハイライトとかも一本一本丁寧入っていて、細かくてビビる。


背が高いし声も結構低めなのですぐに男性とわかったが、これ顔だけアップで見せられたら、かっこいい系の女性でも通せそうだと思う。


やっぱりうちのリルと違ってメインだと、顔は整ってるのはもちろんなんかこう……雰囲気?

いやモブだと思われるリルと比べるのもどうなんだって感じだけど。


なんというか迫力?オーラ?よくわからないけどそういうのがすごくある。


これでこの世界の人美人かどうか判断するのだろうか、強い…。


にしても瞳も綺麗な金色、金というか黄金って感じだ。


オレンジっぽい……というか茶色を重ねて深みを出した金色で、満月のようなイメージだ。


………銀色に満月のような目で狼っぽいって、このキャラ作るとき狼男思い出してただろっとツッコミを入れたくなる。


「…………おい。話を聞いているか?」


……先生枠ってちゃんと先生らしい優しいけど、実は大人気ないが定番だがそうではないらしい。


「えーっと………先生の髪が綺麗だなって見惚れちゃってました!」


言い訳しようとも考えたが、彼の容姿についてじっくり見ていたのバレてるだろうしと正直に告白する。


若干定番ネタとか心の中で色々あった後なので抵抗もあったが、仕方ない、綺麗なんだから。


銀色だよ?灰色とか白じゃなくて銀色。

灰色よりは薄く白よりは濃く、なんかさらさらきらきらの銀。


ロマンスグレーなら街を歩いていてもテレビを見ていても見かけたし、この世界でも普通によくある色。


でもロマンスグレーとパッと見た時の色は似ているのに一色だけだからかとても綺麗にまとまって光るのだ。


「………まあいい。そろそろ終わる頃だ、先に教室に案内しよう。」

「あ、はい!」


まあいいで流されたということは髪について言われ慣れてる……?それとも自分の顔に自信のあるタイプ……?


どちらにしろメンタル強いなこの人、いや私も自分の可愛いって思ってるから同じか。

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