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流されたものの行方  作者: 『食べられません』を食べた人
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第92話 散策

メタルギアサバイヴクリアしました。

 カヨコと別れて道すがら次の街に向かう。向かったがいいがいつもの迷子だ。迷子迷子といいつつ、着いちゃうんだなこれが。


 「身分証を提示してください」


 そう言われるのはいつもの街の検問だ。提出するのはSランクのギルドカード。シエスタに跨がるケモ耳幼女のスズネは獣人好きの国にとっては至宝と言える存在、不審なものがいれば捕らえるのが世も末。


 「Sランク冒険者のソウタ殿でしたか!?失礼しました!」


 「ご苦労様です」


 しかし僕は不審者ではないので、素通りされるのが当たり前だが、やっぱりアッシュとシエスタは止められる。


 「すいません、こちらはソウタ殿の従魔でしょうか?」


 「はい、そうです」


 「申し訳ありませんが、こちらの首輪か装飾をつけてもらえませんか?」


 「いいですよ」


 そう言って首輪をシエスタに、装飾をアッシュに着ける。シエスタは特に嫌がることはしないが、アッシュは可愛く「ブモゥ!」と嫌がったが、ハチミツをあげるとなんとか着けてもらえた。


 「ありがとうございます。ようこそ、アルカルーラ街へ」


 この街にはアルカ魔法学院という学校があり、街には学生で溢れているそうだ。そのため人も多く、店も若者向けから学問のための書物など多くの商店が並んでいる。


 魔法学院というほどだからか、魔物の知識も豊富らしい。だが新種であるシエスタとアッシュには視線が集中する。それを嫌そうにするシエスタは好機の目で見る男には威圧をお見舞いする。


 女の子には優しいシエスタだが、野郎には冷たいのはよくあることだ。アッシュは特に気にもせずハチミツを貪る。その光景に固唾を飲む人々は甘味に飢えているのだろう。


 この街もあくまで通過点なのでギルドで魔物素材を卸しにいく。ギルドに向かう途中に露店が並んでいたので立ち寄ってみるとそこには串焼きやアクセサリーなど売り物は様々だ。


 それらのうちいくつか食べ物を購入した。そんな中スズネはアクセサリーに駆け寄って見定めていた。


 「欲しいものはあった?」


 「これ可愛いわね…」


 「買うよ?」


 「これもいいわね…」


 「スズネ?」


 「うーん…」


 だめだ、アクセサリーに夢中で全く気づいてない。これが女性の買い物か。巻き込まれる前に違うものを見るか…。いや、スズネを一人にするわけにはいかないしなぁ…。


 「ちょうどいいところにいたわね、ソウタ」


 「ほ、欲しいものがあるなら買うよ?」


 「そんないくらでも買って貰うわけにもいかないわ」


 「いやぁ…お金も全然あるから大丈夫だよ」


 「そう?」


 「そうだよ、むしろ使い道に困ってるくらいだから。気に入ったものがあったら言ってね」


 「わかったわ」


 スズネがアクセサリーを選んでいる間に僕は街の散策をする。スズネのもとにはシエスタとアッシュがいるので、買うものが決まれば自然と伝わるようになっている。


 街には学生が多いと言うので歩いていると大道芸人のように噴水前で魔法を披露している人がいた。


 「はいっ!ほいっ!ほほほい!」


 「「「「おおおおおーっ!!」」」」


 その学生は噴水の水を使って鳥や竜などつくっていた。その造形はまさに本物そっくりだ。竜は料理にされたところと死んだところしか見たことないが、つくっていたのは日本で言うところのワイバーンだ。それが小さいながらも飛んでいる姿は生きているようにも見える。それには感嘆の声をあげてしまう。


 うーん、あれなら僕にもできるかな?流体操作は水魔法の上位互換だしな。それに操作系統には水操作もあったな。あれよりも流体操作の方が上だったかな?


 見よう見まねで水を掌に集める。まずは水の玉をつくる。それをスライムのときのシエスタの形にする。それを段々と進化させて最終的に今のシエスタにする。それを空中で走らせる。


 意外とできるもんだな。


 「「「「おおおおおーっ!!!」」」」


 ん?なんだ?あの子はまたすごいこと…でも?ん?あれ?僕のこと見てないか?


 ショーをしていた子もショーを見ていた観客もこちらを見ていた。ショーをしていた子はわなわなと震え出した。するとこちらにやって来た。その顔は真剣そのものだった。怒られるのかな?そう思っていると…


 「弟子にしてください!!」


 その子は土下座をした。


 「は?」


 愕然とするしか僕にはできなかった。

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