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流されたものの行方  作者: 『食べられません』を食べた人
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第88話 優しいおじさん

 「え?」


 おじさんの一言で周りの風景が変わっていった。先程までのどかな森の中だったのに、今では薄暗い森の中だ。しかも日光の気持ちのいいお昼寝日和だったのも関わらず、そんな姿はなかったかのように薄い霧が張っていた。


 「ですから、魂…だけ置いていってください」


 「おじさん?」


 『ソウタ!危ない!』


 シエスタの声が聞こえた瞬間に後ろに引っ張られた。シエスタの触手に絡まれた状態で見えた光景はあの優しかったおじさんの背中から鎌のようなものが生えており、それが先程までいた場所を切り裂いていた。


 「魂…くだ…さい…」


 おじさんの姿はみるみる変わっていき、おじさんが骸化した。さらにおじさんの背中からは4本の鎌が生え、黒いボロボロの布を着込んでいた。見た目からしてアンデットなのだが、この状態はスズネには見えているのだろうか?


 「スズネ?あれは見える?」


 「えぇ、あの骸骨なら見えるわ」


 あの骸おじさんは見えるのか。ということは森の幻覚とおじさんの幻影はセットではなく、森の幻覚は全員に付与されていたのか。そしておじさんの幻影+村人は称号持ちにしか見えないようだ。


 そんな悠長な考察はいいとしてこれは討伐すべきだろうな。あれ?じゃあ僕達はあんなアンデットだらけの村で熟睡したのか?ここで睡眠スキルの高さが裏目に出たな。そんなスキルはないけども。


 「たま…し…い…」


 骸おじさんはゆっくりと近づいてきているので、エアロックで封じ込める。しかし、鎌によってすぐに切り裂かれた。風って切れるんだ!おじさんすごい!とかまたも悠長に考えてしまった。いけないいけない。ここは鍛えた鑑定を使おう。


名前:No Name

種族:サイズリッチ

ランク:B

Lv:52

アクティブスキル

【骨術】Lv5【鎌術】Lv4【闇魔法】Lv7【料理】Lv3【魂食い】Lv2【下位骸骨召喚】Lv3


パッシブスキル

【骨密度】Lv6【骨再生】Lv6【光耐性】Lv2


称号

【骨拾い】【魂喰らい】【死神】【優しいおじさん】


 Bランク!?すごい強いな!おじさん強い!この【優しいおじさん】って称号ってもしかして僕のせいかな?てか料理スキル高くないか?この【下位骸骨召喚】はやばそうだな。


 『ソウタ!周りにいっぱい来てるよ!』


 考察してる間に周りには無数の骸骨がいた。スズネは骸骨が怖いのか僕にしがみついていた。


 「シエスタ!アッシュ!こいつらを狩るんだ!僕はこの…おじさんを狩る!」


 僕の念話に反応してシエスタとアッシュが駆け出した。シエスタは複数の触手で殴り、アッシュは己の拳で殴っていった。アンデット系とはいえここは森だ、火魔法は使えない。


 僕はアイテムボックスから大量の血を出して血吸い刀を抜いた。エアロックで縛ったとき思ったこととステータスを見てわかったのは、骨の強度だ。あれは相当硬そうだ。


 骸おじさんに近づき、斬りつけると骨の鎌で防がれた。速さは僕の方が上なので防戦になることはないが、速度の差を数で防いでいた。何度も斬りつけたがどれも鎌によって防がれた。これではキリがないので血を斬りつけてみたが動きを止めることしかできなかった。


 そうこうしてるうちに周りの骸骨は片付き、骸おじさんは一人になった。どうやって倒そうかと考えているとアッシュがやって来ておじさんを殴りつけた。


 するとあら不思議、あんなに硬くて斬り付けても全く傷がつかず、全然砕けなかった骸おじさんが粉々に…粉々に?おじ…おじさぁぁぁぁぁぁぁああああん!!!

タイトル詐欺?ナニソレシラナイナァ…

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