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流されたものの行方  作者: 『食べられません』を食べた人
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第79話 順番抜かしダメ、ゼッタイ

クリスマスは一人ピザを食べ、次の日に朝ゲロして行った先で早退させられました。

 ロート村での用事は特にないので、次の村に向かった。カント村というところではオークを5匹ほど卸してすぐに去った。


 それからいくつかの村を経由して牧場での産業を主流としているハーマル街に到着した。門では列ができていたが、Sランクのギルドカードを出すと貴族用の門から入ることができた。


 アッシュとシエスタには驚かれたが、僕がしっかりと見ていることを伝えたら従魔用のアクセサリーというものを渡された。これを首か腕につけることを言われたので、アッシュは腕につけて、シエスタは前足につけた。


 これをつけることによって従魔ということが周りの人に伝えることができるそうだ。ここではオークや貴重な薬草を卸すことになっている。


 まずは宿を決めないといけないのだが、リサさんのメモにギルドでとることができると書いてあったのでギルドに向かった。


 ギルドには屈強な男達が酒を飲んで騒いでいて、賑やかにしていた。僕とスズネがギルドに入ってくるのを見た瞬間ににやにやとからかいに立ち上がったが、続いてアッシュとシエスタが入ってきたことによって顔を伏せて座った。


 あれ?絡みイベントないの?そうか、アッシュとシエスタの姿にびびったのか。残念だなぁ。そんな筋肉持ってるのに立ち向かうこともできないのか。


 そんなことを考えながら受付にいって列に並んだ。Sランク用の受付があるわけがないので、普通のところだ。


 アッシュとシエスタには隅っこの方でお昼寝してもらい、スズネもその近くにいってもらった。スズネに近づこうとするとシエスタが殺気を飛ばすため、誰も近寄れなくなっている。


 ここでは確かハチミツをあげるとチーズが貰えるっていってたな。どれくらい上げればいいのだろうか。


 ぼーっとしてるとしてると後ろに先程入ってきたばかりの男が列に並んでなぜかこちらのことを睨んできていた。何もないならと無視を決め込んでいると周りがざわざわし出した。


 なんでかなぁ~っと思っているとひそひそ声が聞こえた。どうやら僕の後ろにたっている男はこのギルドで一番強い男らしく、他の人だったら必ず列の順番を譲ることになっているようだ。しかし僕はこの人のことをよく知らないし、先に並んでいたので譲る気もなかった。順番抜かしだめ、ゼッタイ。


 「おい、お前ここに始めてきたやつだよな?悪いこと言わないからさっさと道を譲りなよ」


 前の人らはすでに譲る気満々で道ができていた。受付についている人でさえ、「ささ、どうぞどうぞ」と手で道を譲っていた。なので僕はその空いた道を通って受付に向かった。すると「そういうことじゃねぇよ!」と小声で言われたが、そんなん無視だ無視。


 「すいません、キリカ街から物資や魔物素材を持ってきたのですが、どこに持っていけばいいですか?」


 「ええ!?あっあの、はい、ギルド長を呼んできます!」


 「はい、待ってますね」


 困惑していた受付嬢をさらっと無視して要件を述べた。受付嬢が奥の方に向かったので待つことにした。すると後ろのこのギルドで一番強いという男に肩を掴まれた。


 「おい、お前。俺がこの街で一番強ぇぇ男だと知らねぇのか?あぁ?」


 周りでは「だから言ったのに…」というような声を聞いたが、だからと言って順番抜かしは良くないことなので、注意をすることにした。


 「知らないですけど、皆さんが僕に道を譲ってくれたので受付に行ったまでです」


 そう言いながら軽く肩の手をどかして振り返った。男は怒っているようだが、なぜ怒られないといけないのだろうか。


 「お前じゃねぇよ!俺に譲ってんだよ」


 「まぁそれでも僕は譲ってませんから、順番がずれて必然的に僕が受付に着くじゃないですか」


 「あぁ?ぶっ殺すぞ?」


 「強い男ってイラついたらすぐ人を殺すんですか、ずいぶん弱い頭をお持ちなんですね」


 こういう絡みイベントは大歓迎なので煽りまくる。周りがどれだけ騒ごうが知ったことではない。


 「てめぇみたいな雑魚がいきがってんじゃねぇよ!」


 そう言いながら殴りかかってきたので、普通に片手で受け止めた。これでも強くなった方なので見た感じ大丈夫そうだったので掴んでみた。


 「どうしたんですか?このパンチが本気?この街最強さんがこの程度なんですか~?」


 「!?ふっふざけんじゃねぇよ!俺の本気がこんなもんなわけねぇだろ!」


 殴りかかってきた手を引き戻そうとしていたので、放さずに持っていると焦った男が顔を真っ赤にして引っ張った。


 「は、放しやがれ!」


 「ただ持ってるだけじゃないですか」


 そんなことをしながら待っていると先程の受付嬢が慌てた様子で帰ってきた。


 「あ、あの、ギルド長が部屋に来るようにとのことです!」


 「そうですか、すぐに行きますね」


 そう言いながらこの街最強男には腹に1発入れてから放置してきた。スズネ達はそのままにしておく。この街最強があれならなにも問題はない。ギルド長の部屋には受付嬢に案内してもらった。

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