第78話 絡まれたソウタ
今日は地図に描いてある一番近い村に向かうことにした。村の名前はロート村という。村の近くには亀の魔物が沢山いて困っているのでついでに討伐してくれと地図に書いてあったのでスズネのレベル上げをすることにした。シエスタとアッシュは眠そうにしていたので、スズネをシエスタに乗せて走って村に向かった。
僕とシエスタとアッシュは体力も早さもあるがスズネはあまり戦闘をしないので差がある。そのためスズネにはシエスタに乗ってもらった。
村にはすぐに着いたのでその村のギルドに向かった。ギルドの大きさはコンビニくらいだ。依頼を受けにいくとほとんど裸の装備をした剥げたおっさんに絡まれた。
「おいおい、そいつはCランクのトゲタートルだぞ。お前みたいなガキが倒せる相手じゃねぇぞ」
「僕達は大丈夫ですよ」
「あぁ?俺様がせっかく心配してやってるんだから、ここはやめとくべきだろ!」
心配されるような装備はしてないんだがな。それよりもそちらの装備の方が心配なんだが、なんで肩と腰回りしか守ってないの?薄着ではないけど、守るべき場所ががら空きだ。
「ソウタ?依頼は受け終わったの?」
「あぁ、終わったよ。なぜかこのおっさんが依頼をやめろと言ってきてるんだよ。僕には無理らしいよ」
「そんなに強い魔物がいるの?」
「さぁ?僕にはわからないけど、このおっさんが言うにはいるらしいよ?」
おっさんの相手をしているとスズネがシエスタに乗ったままやって来た。おっさんはスズネに気がついてにやにやし始めた。
「おい!この娘はお前の奴隷か?」
「奴隷ではないですが、僕の連れですよ」
「じゃあ俺様がもらうぞ!」
そう言っておっさんはスズネに襲いかかった。眠そうにしていたシエスタがあっさりと触手で弾き飛ばした。
「なんだ?お前は俺様の邪魔をするな!」
もう一度スズネに襲いかかろうとしていたのでエアロックで動きを止めた。
「何してるんですか?奴隷?ここでは獣人を奴隷にすることは重罪ですよ?それにおっさんがやったことはただの犯罪ですよ?」
「おい!何をした?俺様を離せ!」
めんどくさいのでがら空きの腹を殴って気絶させた。このおっさんのことをギルドの受付に聞くと、最近やって来た人で正直迷惑なことしかやっていなかったとのことだ。偉そうにしているが貴族でもなんでもなく、強いのかと言われればDランクの魔物討伐しかしてこない上、報酬を上げろと脅してきていたようだ。
その後おっさんが目覚める前に重罪者用の奴隷の首輪を着けて後のことはギルドに任せた。
この国では獣人が被害者の場合の犯罪は重罪にされてしまう。というより獣人保護がいきすぎているのだ。それはそれだが、獣人が罪を犯すとある程度は許されるが、殺人などは獣人でも罪に問われて獣人愛好家のためにお店で働かさせる。えろいことをするのではなく、もふるのだ。もふることはこの国の住民にとって至福な事なのでその店はとても儲かる。
ギルドでは多少の騒ぎはあったが、依頼を受けたので狩りに行くことにした。宿はギルドの方に併設されていて、依頼を受けるときに一緒に申し込んでおいた。宿は1日泊まるだけだったので安くすむとは思っていたが、おっさんが迷惑をかけたということで無料になった。
おっさんが強いといっていたのでどんなものかと思えば確かにトゲがある甲羅の対応には大変だが、攻撃はしてこなかった。ひたすら甲羅に籠って甲羅から出てこなかった。なのでスズネに狐火で燃やしてもらって熱さで出てきたところを首を落として倒した。待ち時間が長いだけで苦労することはなかった。