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流されたものの行方  作者: 『食べられません』を食べた人
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第69話 迷惑なお昼寝

 進化したけどシエスタとアッシュは僕に寄り添ってきた。シエスタは僕に顔をすりすりして、アッシュは隣に座った。どちらも僕よりも大きく強くなってしまった。レベルでいえばまだ2匹ともレベル1だ。能力値とスキルがものをいうこの世界ではレベルなんて関係ないだろう。


 久しぶりにのんびりできそうで眠たくなってきた。シエスタとアッシュの雄叫びのおかげで周りには魔物はいない。シエスタも丸くなってお昼寝をしようとしている。アッシュも進化はしたがまだまだ子供だ。眠たいのだろう。横になって眠り始めた。僕はシエスタに寄りかかって眠ることにした。森の中は魔物がいないおかげで静かだ。日差しも心地いい。あぁ…昼寝は久しぶりだ…。


 シエスタとアッシュが雄叫びをあげた頃、周りでは魔物の逃走を始めていた。当たり前だ。気配が消えるということは気配遮断をしているのではなく、そこ場から逃げているからだ。巣を持っているものは巣の奥深くまで逃げ込む、しかし巣を持たぬものは全力でその場から逃げ出す。


 この異常事態は冒険者達からも警戒された。森の魔物達がなにかから逃げるように自分達のところへ向かってくるのだ。異変を警戒しないわけがない。Aランクの魔物すら逃げてくるこの事態にはSランク冒険者達が対応した。


 「レイ、この先に3体固まった状態でいるぞ」


 「わかってるよ、レイジュさん。3体ということはもしかしてSランクの魔物が生まれたのかもしれないね」


 「あぁ、それにしても全く動いている気配がしないな。もしや寝てるのかもしれないな。1度近くまでいって確かめるぞ」


 「はい」


 森の中を息を殺して進んでいくうちに1つの塊と遭遇した。一つは黒いなにかともう一つは白いなにかだ。二人はそれがなにかも判明しないため、観察することにした。わかったことは全く動かない。たまにびくっとする。寝息が聞こえる。の3つだ。熟睡していた。


 「レイジュさん、これどうしますか?」


 「危険性は今のところ魔物が逃走してきた程度しかない。こんなところで熟睡してるやつが危険かと言われたら判断に困る」


 「ですよね」


 後ろからがさごそと聞こえて振り返ってみるとそこにはギルド長が一人で歩いてきていた。


 「ん?お前達も来てたのか?」


 「ギルド長も来たんですね」


 「これだけの事態だ。まずはどんなやつか確認しなくてはならないからな」


 「ずっと観察してますが、ずっと寝てますよ」


 「それまた変わった魔物だな。俺は上から見てくるから、レイとレイジュはこいつらを周りからみてくれ」


 「わかりました」








 なんだか周りが少し騒がしく感じる。あれだけ魔物が逃げていったのにまだ魔物がいたのだろうか。それにしても久しぶりのお昼寝は最高だったな。ん?シエスタが丸まってるのはわかるが、アッシュも丸まってるのか。日差しの暖かさと2匹の温もりのおかげで気持ちよかったな。そろそろ起きないとな。


 僕はアッシュとシエスタを撫でた後、立ち上がって伸びをした。ずっと寝てたため少し体が固まっていた。目を開けるとそこにはなぜかレイさんとレイジュさん、ギルド長が剣を構えてこちらに殺気を向けていた。


 「あれ?レイさんにレイジュさん、ギルド長?なんでここにいるんですか?」


 3人は剣を収めた後、お互いを見てから僕のことをみて深いため息をついた。それから3人でぼそぼそとなにかを話し合っていた。


 「レイジュさん、立派なお子さんでしたね」


 「そうだな。あれだけの巨体からどんな子供が生まれてきたと思えば、知ってるお子さんだったな」


 「それにしてもよくこんなところで寝れますね」


 「そうだな。そういえばシエスタとアッシュはどこにいるんだ?もしかしてあの丸まってるでかいやつか?」


 「でしょうね」


 「ですよね」


 「やっぱりか」


 3人が話し合いをしている間、僕はとりあえず伸びの続きをしてアッシュとシエスタを起こすことにした。2匹の身体を揺さぶるとアッシュは甘えるようにまだ寝ようとする。シエスタは不動だ。まだ深い眠りについていた。


 まだ起きないので手持ちぶさたにしていると、3人の話し合いが終わったようでこちらに向き直した。

レイとレイジュが最初はレンとレンジュであり、混乱されたかもしれません。僕も混乱しています。なので、レイとレイジュに修正しました。

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