第67話 6本腕のボス猿
ハチミツによって夜は幸せ空間と化した食堂は朝になるといつにも増して賑やかだった。話はハチミツの感想だが、ばか騒ぎしてる訳ではないので、まだいいだろう。そんなわけでいつにも増して元気な冒険者達は朝早くから狩りに向かったわけだが、僕はというと周りから頼まれギルドからも頼まれ、砦からも頼まれた。というわけで1人と2匹でハチミツを取りに行くこととなった。
場所は記憶しているので大丈夫なのだが、僕はこの狩りイベントでより多くの魔物を狩るはずだったはずだ。なのに今は魔物を狩るのではなくハチミツをより多く取りに行くことになった。報酬は全員の報酬それぞれの1割をくれるとのことだった。僕はそれを了承してしまった結果がこれだ。
『・ロイヤルスイートビーの巣の半分を回収せよ。
・その分のハチミツを回収すること。
・壊した巣は補修して帰ること。
・この依頼を完遂後Sランクと任命する。』
Sランクになれることは嬉しい。ギルド長が言うには黒猪王と白猪女王討伐で十分Sランクとして認められるし、能力値も十分越えている。だが、この依頼はなんだ。どんだけハチミツ取ってくるんだよ。
名前:山根 草太
種族:人族
年齢:17
性別:男
Lv:122(+18)
HP:658/658(+90)
MP:1174/1174(+192)
攻撃力:722(+93)
防御力:649(+94)
敏捷:700(+98)
知力:1078(+188)
精神力:1009(+182)
魔力:1241(+201)
ユニークスキル
【流体操作】Lv8
アクティブスキル
【武術】Lv7【料理】Lv3(+1)【テイム】Lv6(+1)【風魔法】Lv7【水魔法】Lv7【火魔法】Lv5【空間魔法】Lv2【氷魔法】Lv4【毛繕い】Lv2
パッシブスキル
【環境適応】Lv6【気配遮断】Lv5【苦痛耐性】Lv4【異臭耐性】Lv5【逃走】Lv2【忍び足】Lv4【魔力感知】Lv7【気配探知】Lv8(+1)【観察】Lv8(+1)【職人技】Lv1【敏捷強化】Lv3(+1)
称号
【昼寝を愛す者】【昼寝の達人】【流された者】【異世界転生者】【ゴブリンスレイヤー】【スライム好き】【掃除夫】【悪臭の伝導士】【オークスレイヤー】【もふりのテクニシャン】【お抱えプロゲーマー】【俊足の荷物持ち】【便利な魔物回収者】【自然破壊のプロ】【職人】【猪人族スレイヤー】【黒猪人族スレイヤー】【黒猪王討伐者】【白猪女王討伐者】【匂わせる者】【蜂蜜を授けし者】
従魔
【嵐狼スライム】シエスタLv42
【灰猪王】アッシュLv3
加護
【創造神の加護】
能力値に関して言えばAランクの平均から察するにSランクの域まで到達したといえるだろう。
ユニークスキル
【流体操作】Lv8
液体や気体の流れを操作することができる。流れの速度・向きを変えることができ、圧縮や拡散させることができる。流体の温度を変化させることが可能、-100~100℃まで。気配や殺気、魔力の流れが見える。見ることはオンオフが可能。
Lv1:自分を中心に1m範囲内の流体を操作可能。
Lv2:自分を中心に2m範囲内の流体を操作可能。
Lv3:自分を中心に5m範囲内の流体を操作可能。
Lv4:自分を中心に7m範囲内の流体を操作可能。
Lv5:自分を中心に10m範囲内の流体を操作可能。
Lv6:自分を中心に20m範囲内の流体を操作可能。
Lv7:自分を中心に30m範囲内の流体を操作可能。
Lv8:自分を中心に50m範囲内の流体を操作可能。
範囲広すぎないか?まぁ遠くの敵を倒せる点でいえば助かることは確かだ。上空とかの敵を倒しやすいってことだな。気配や殺気の流れが見えるか。動きとか誰から殺気がとんできてるとかがわかるのかな?なんだか名探偵にでもなれそうな効果だな。魔力の流れか。魔法発動の瞬間が目に見えてわかるってことかな?
称号
【○○○スレイヤー】
○○○系に恐れられ、○○○系への攻撃力が20%上がる。
【黒猪王討伐者】
黒猪王の討伐者に与えられる称号。攻撃力が10%上がり、HPが1分に1%ずつ徐々に回復する。
【白猪女王討伐者】
白猪女王の討伐者に与えられる称号。魔力が10%上がり、MPが1分に1%ずつ徐々に回復する。
スレイヤー系も討伐者系も効果が本当にいいな。これは本当に助かる。
【匂わせる者】
物を使用するもしくは自分の力によって魔物を誘った者に与えられる。魔物の遭遇率が1%上昇する。
ハチミツを使わない状態でいえばわりと嬉しいな。
【蜂蜜を授けし者】
蜂蜜を授けた者に与えられる。通常は蜂から蜂へ蜂蜜を渡されることによって得られる。蜂蜜の甘さと栄養が微上昇する。
僕はついに蜂特有の称号を手に入れてしまったか。まぁ甘さと栄養が上がるのは嬉しいな。
ステータスを見ながらちょこちょこくる敵をシエスタとアッシュに倒してもらっていると、蜂の巣についた。やっぱりでかいな。それに蜂達も警戒していてどんどん集まってくるな。3m程ある蜂もいるが、あれば上位個体かな?
いちいち相手取るのもめんどくさいのでエアロックで近付いてくる物を封じ込めてからシエスタとアッシュに仕留めてもらう。魔石は倒した方に食べていいと言ってあるが、シエスタは幼いアッシュに倒させて魔石を譲る。そんな優しいシエスタにはあとで狼種の魔石をやろう。
ちょっとずつ削り出すのもめんどくさいので蜂の巣の上半分をウィンドカッターで切り裂いて蜂の巣をエアロックで浮かせる。浮かんでる蜂の巣の中の気配を探知して、ハチミツを操って蜂や蜂の子を下半分の蜂の巣へ連れていく。
それが終わると上半分の巣とハチミツをアイテムボックスにしまう。それから下半分の巣から5分の1程の蜜を取り、巣をハチミツで少し大きめにする。それから、5分の2を回収して巣を軽く修復してその場から立ち去った。
身体に染み付いたハチミツの匂いで4本腕の猿の群れに遭遇した。群れのボスらしき猿は6本腕だった。猿と蜘蛛の子かなにかだろうかと思いに更けていたところ、襲ってきた。4本腕の方はシエスタとアッシュが相手取った。僕は目の前の6本腕のボス猿と戦うことにした。
ボス猿は中間の手で身体を捕まえようとし、上と下で殴り飛ばそうとしてくる。エアロックで止めようとしたが、力一杯動かれて止めることができなかった。なので、作戦を替えてパンチの速度を抑えることにした。すると簡単に避けることができ、反撃も可能になった。
顔を狙ってきた腕を避け、剣に風魔法を纏わせて自分を狙って通りすぎた腕を切断する。それに驚いたボス猿は後ろに退く、それを逃さず、反対側の腕も切断する。警戒を強めたボス猿だが、まだ逃げようとはしない。切った腕は上の2本だ。血がポタポタと垂れていたので、流体操作で血を操り身体を縛り付ける。先程まで自分の一部だった血が自分のことを縛り付けたんだ、そりゃあボス猿も焦る。焦ったところでなにも変わらない。
首に剣をさして殺し、死んだことを確認した後回収する。シエスタとアッシュの方は猿達が連携をしていてなかなか倒せてないようだ。3匹ほどは倒せているが、5匹が周りを囲っているようだ。シエスタが後衛でアッシュが前衛のようだ。アッシュが腕に火を纏わせて殴り、反撃があるとシエスタが触手で防ぐといった感じだ。2匹がどれだけできるか見学することにした。