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流されたものの行方  作者: 『食べられません』を食べた人
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第62話 ハチミツ好き

 ハチミツにつられる魔物が来なくなったおかげで魔物に遭遇しなくなった。だが僕の目的は魔物を狩ることだ。全然遭遇しないのは好ましくない。でもいちいち囲まれるのはめんどくさい。仕方がないので、気配を探知して見つけることにした。


 3匹ほどいた!っと思って向かったら、ギルド長とアッシュとシエスタだった。どうやら僕が長時間帰ってこないので探しに来てくれたようだ。


 「ここにいたか、ソウタ。まだ見つかってないのか?ゴブリンの集落は?」


 「そうなんですよ、オークの集落と蜂の巣は見つけたんですけどね」


 「蜂の巣?」


 「ええ、1mの蜂が飛び交ってる巣ですよ。ハチミツ美味しかったです」


 「なんだと!?それはロイヤルスイートビーの巣じゃねぇか!おいっ!どこにあるんだ!」


 ギルド長は肩をつかんで揺さぶりながら問いかけてきた。めっちゃ肩が痛い。というか気持ち悪い


 「えっあっ…む、向こうですけど、ハチミツならっとって…きまっしたよっ」


 手を無理矢理引き剥がして距離をとった。ギルド長は場所を聞いてすぐに向かおうとしたが、とってきたと言う言葉に反応して血走った目でこちらを見ている。めっちゃ怖い。


 「結構な量とってきたので、後で分けますよ」


 「それは本当か!あのハチミツはな、なかなか取ることができないんだ。蜂の数も多いしでかいからな。それでいて1つの巣をつくると他の女王蜂もそこの巣に住む。だから1つの森には1つしか存在しないため貴重なものなんだ」


 なるほど、多くの女王蜂があの巣には住んでるからあれだけ多くの蜂達がいるわけだ。それに巣もその分大きい。


 「それにしてもよく見つけられたな。あの巣はでかいが、見つけるのにも苦労する。巣の近くには多くの魔物がハチミツを狙ってさ迷っている。高ランクの魔物もいるわ、虫系の魔物が大量にいるわで、女性冒険者はやりたがらない。」


 確かに虫は嫌だな。カブトムシならまだ許せるが魔物だからどんな気持ち悪いやつがいるかわからない。


 「今日は結構な収穫があったし、帰るか。それにソウタの従魔も眠そうだしな」


 アッシュはシエスタに抱えられていた。正確には触手によって持ち上げられているのだが、そのシエスタもなんだか気だるげだ。アッシュは気持ち良さそうに寝ていた。寝る子は育つというが魔物も育つのだろうか。


 「そうですね。アッシュは寝てますし、もう夕方になっていきてるので、帰ってから明日頑張りましょうか」


 今回は急ぎではないので歩いて帰ることとなった。それにさすがにギルド長も2匹と1人を抱えて走るのは辛いだろう。ギルド長と明日の予定について話し合いながら帰っているとレイさんとレイジュさんと遭遇した。二人ともさほど疲れている様子もなかった。


 「よう、ソウタ奇遇だな。ギルド長とソウタも帰りか?」


 「今から帰るところですね、なにか収穫はありましたか?」


 「おお、あったぞ。今日は異常にオークに遭遇してな。オークで1年過ごせそうなぐらいの量いたぞ。あとは竜を1匹ほどいたな。風を司る竜でな。オークを狩ってるときに山積みになったオークの死体をつまみ食いしやがってな。ムカついたんで、殺したんだよ。結構強かったぞ」


 竜がいたのか生きてるうちに見てみたかったな。それにしても竜を倒すなんてまるで主人公のようだ。どこかの黒猪王なんてシーツに躓いた挙げ句瞬殺されたんだが、もっと主人公のようにかっこよく倒したいものだ。


 「竜ですか、後でみせてもらっていいですか?」


 「あぁいいぞ。そっちはどうだった?」


 「こっちは黒猪王と白猪女王を討伐して、その子供をテイムして、探索中にハチミツを採取しました」


 「なるほどな。だからオークがあんなにいたんだな。それにしても討伐したってことはソウタが倒したのか?」


 「はい、戦ったとは言いづらいですが、倒しましたよ」


 「戦ってないのか?」


 レイさんとレイジュさんに一連の事柄を話すと腹を抱えて笑っていた。ギルド長は詳細な事を聞いてなかったため、一緒に笑っていた。 

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