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流されたものの行方  作者: 『食べられません』を食べた人
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第61話 魅惑のハチミツ

 ハチミツを食べたいセレナさんとハチミツに夢中のガンジュさんがいて、セレナさんがなんだか可愛そうだったので、少しだけ助けることにした。悪臭の導きを蜂がいるところだけに飛ばした。すると構えているセレナさんは平気だが、蜂はあまりの臭いにビクビクしながら失神した。


 状況がわからないセレナさんは蜂の動きが鈍くなったことを察知したのか、巣へと走り出した。数体巣を守るためにセレナさんを襲ったが、セレナさんに返り討ちされてしまった、巣にたどり着いたセレナさんはガンジュさんと同様に巣を破壊してハチミツを思う存分楽しんでいた。


 先に満足したガンジュさんはそそくさと去っていき、セレナさんは少し遅れて去っていった。なんだかなぁと思ったが、僕もハチミツを飲んでみたかったので、セレナさんが飲んでいたところで味わってみた。新しいところにいかなかったのは何ヵ所も破壊すると蜂がさらに増援を出すかもしれないからだ。決してやましい気持ちはない。ハチミツを一口含んでみると、舌触りがよく滑らかでとても甘かった。


 アイテムボックスにハチミツの源流からひたすら入れていった。かなりの時間入れ続けたがまだまだ出てくるようだった。数十回ほど蜂が襲ってきたが、全部返り討ちしてやった。


 有りすぎても困るので穴をふさいでゴブリン集落に戻ることにした。巣から去っていくと蜂は襲ってこなかったが、相当警戒してることだけは理解できたので、去ることにした。


 去ってからものの数分で4本腕の猿5匹に囲まれた。なぜだろうと考えていると、視線が僕の手にいっているのとがわかった。どうやら猿達はハチミツが狙いのようだった。近くに落ちていた木の棒を拾って、ハチミツを木に数滴たらし、猿の後ろに投げつけると、それにつられて猿達が背中を向けた。本当にハチミツが好きなようだったので、ハチミツを流体操作で操り、空中で円を描くようにぐるぐる回してみると、それにつられて猿達もくるくる回っていた。


 ちょうどいいところに5つも首があったので、ウィンドカッターで切り落とした。ハチミツは球状にして持ち歩くことにした。すると、匂いにつられてホブゴブリンやら生き残りのオークやらでかいカブトムシやらが近寄ってきたので、さっきと同じ手法で殺してやった。


 そんなことをやっていると木の建物らしきものが見えた。ホブゴブリンの集落かと思ったが、オークの集落だった。どうやらまだ残っていたようだ。近付いてくるオーク共は僕のことではなく、ハチミツをガン見していた。左に動かせば首ごと右へ、右に動かせば左に首ごと動かした。


 上に動かすとつられて上を向いたので、空いた首をウィンドカッターで切り裂いていく。仲間が殺されてこちらに殺気をとばすも、視界にハチミツを入れるとそちらに向き、またがら空きになるのでまた切り裂いてを繰り返した。その結果同じ手法で集落のオーク達は死んでいった。


 まさかのハチミツ最強説。ゴブリンの撒き餌なんてごみだったかもしれない。実際ごみなんだけれども。やはりオークの集落には魔石が大量にあったので、回収しておいた。


 今度こそホブゴブリンの集落を見つけるぞと意気込んで周辺を探索したら、先程猿達5匹を殺した場所に戻ってきた。なぜかそこではでかいカブトムシと4本腕の猿達が木の棒についたハチミツを奪い合っていた。どんだけハチミツ好きなんだよ。


 濃厚なハチミツの匂いにつられた猿達はこちらに一斉に向いてきたが、よそ見してしまったがためにハチミツをでかいカブトムシに奪われてしまい、満足したカブトムシは去っていった。


 カブトムシが去っていく姿をみて喜び始めた猿達だったが、木の棒についていたはずのハチミツがなくなっていることに気付いて、なぜかその恨みを僕に向けてきた。雄叫びをあげながら僕を睨み付けた後、僕が浮かべていたハチミツに目がいった。やはりハチミツは最強なのか、上にあげると、飛び跳ねながらそのハチミツを取ろうとしていた。


 また先程と同じ流れができてしまったので、首を狩ってハチミツと猿達を回収した。ハチミツが最強であることは証明されたが、いちいち匂いにつられた魔物を相手にするのが疲れてきたので、この手法はやめることにした。

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