表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流されたものの行方  作者: 『食べられません』を食べた人
62/114

第60話 天然セレナ

 ゴブリンの集落を探しているとホブゴブリンがうろちょろしていた。やはり近くにあるのかもしれないので、ホブゴブリンを尾行した。するとホブゴブリンは木の根元を掘っていた。何があるのか遠くで眺めていると、なぜかそわそわしながら急いでなにかを腰巻きの中に隠した。


 気になったので後ろから首を剣で突き刺して殺した。いつもは解体なんてしないが、身ぐるみを剥いで、腰巻きのところを探ってみるとなんかよくわからん骨が出てきた。このゴブリンは犬かなにかなのだろうか。とりあえずわからんので回収としといた。


 周りは木ばかりなので、気配探知してみると木上になにかいた。とりあえず何がいるのか見ないことにはわからんので、見に行くとバカな二人のセレナさんが腕が4本生えている猿と殴り合いをしていた。


 「お前…なかなかやるな!」


 セレナさんは2本の右ストレートを両手で自分の後ろに投げ飛ばした。猿は体勢を左手で立て直した。


 「グギャギャギャギャ!ガギャっ!」


 猿は上の左右の拳に風を纏わせて、下の左右の拳に火を纏わせた。右上、左下、右下、左上の順番で拳で殴り続けるが、セレナさんはそれを両手の背ではたき落として防いでいた。セレナはなぜか腰にぶら下げている剣を使っていない。


 「くっ…なかなかやるな!私に剣さえあればもっとうまくさばけるのだが、剣はどこかにいってしまってな」


 じゃあその腰にぶら下げている剣はなんなんだ?飾りか?セレナは手に魔力を纏わせて手刀で猿の上の両手を切り落とした。


 「グギャァ!?」


 猿は自分の手が切り落とされて混乱していた。それに対してセレナさんはどや顔をしていた。


 「ふっ…私には剣がなくたってこの手があればなんでもできるんだぞ!」


 だからその腰にある剣はなんなんだよ。セレナさんは続けざまに猿の腕を根元から落としてから、猿の首を狩りとった。


 「ふっ…あの猿は強かった…だが、私の方が強かった…ん?この匂いは…」


 セレナさんはなにかにつられてどこかにいってしまった。猿が可愛そうだったので回収しておいた。木から降りた僕はセレナさんが向かった方に行くことにした。ゴブリンの集落を探すついでだ。上を見ながら進んでいくと、甘い匂いがしてきた。それに誘われていってみると、セレナさんが今度は蜂と戦っていた。


 「そのハチミツは私がもらう!」


 セレナさんは蜂にハチミツもらう宣言していたが、蜂は喋ることなく、ひたすらブンブン飛んでいた。威嚇のためか、口を大きく開いたり、針をセレナさんに向けていた。遠くからだと通常の大きさの蜂は見えないが、この蜂は1mほどの大きさがあり、セレナさんより少し小さい程度だ。蜂は威嚇するも腰にある剣を抜き、最初に針を切り落とし首を切り落とした。


 「やっぱり剣があると簡単に倒すことができるな!」


 その剣は先程からずっと腰にあった剣だった。やはりあの剣は飾りではなかった。いつ気付いたのか謎だったが、蜂相手に素手で対抗するのは危ないのでよかった。


 セレナさんはそのまま蜂の巣に向かっていったが、途中まで近づいたところで来た方向に帰っていった。なんでだろうと思っていると軽く見積もって1mの蜂が100匹ほどいた。巣も日本で見た巣なんて比べ物にならないくらい大きく、10階建てのマンションぐらいの大きさがあった。


 セレナさんは全力でにげていたが、蜂に回り込まれて囲まれてしまった。


 「くそぅ…こいつらのハチミツは最高に旨いんだが、本当にこいつらはしつこいな…少しぐらい分けてくれたっていいじゃないか」


 そりゃあ突然巣を襲ってきたら、返り討ちにするわな。セレナさんはどうやら単体への強さはすごいが、沢山いすぎる相手には苦戦するようだ。バカな二人のガンジュさんはどこにいるのだろうか。見回してるといた。蜂の巣にへばりついて巣を破壊して頭を巣の中に突っ込むところだった。


 蜂はセレナさんに釘付けだが、ガンジュさんには気づいてない様子だった。この状況をみるとガンジュさんがセレナさんを囮にしたようにしか見えなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ