第6話 ゴブリン村
倒したゴブリンの胸をえぐり、魔石を取りだして水魔法で洗う。
ゴブリンが食べられなかったので、昨日寝た場所に戻って木の実を食べる。この辺りでは、この木が一番背の高い木だった。枝が折れない場所まで登り、周りを見渡してみる。
街のようなところはなかったが、開けた場所を見つけたので、そこに向かうことにした。
木を降りる際に、木の実を採取する。木の実で腹ごしらえをしつつ、あの場所へと向かう。途中5匹のゴブリンがいたが餌に集中してたため、簡単に倒すことができた。魔石を回収して開けた場所までやってきた。
家が建っていることが確認できたが、人がいることは確認できなかった。その代わりゴブリンがたくさんいた。
50匹は軽く越えるゴブリンがいた。ここはゴブリンの村だったか。このゴブリン達を倒すことが出来ればLvも上がるが、数が多すぎるのが問題だ。隠れて攻撃すれば、無理なく倒せるかもしれない。
悪臭で寄ってくるゴブリンを標的にするため、道を引き返して5匹のゴブリンが倒れているところまで戻った。ゴブリンは臭いで集まっていたことから、風で臭いを飛ばせば来てくれるだろう。
木に隠れて【流体操作】でゴブリンの悪臭を村の方に飛ばしてみる。すると3匹のゴブリンがやって来て、死体を見て話し合った後、村に持ち帰ろうとしていた。ゴブリンの死体の血を操作して3匹の胸を貫く。
それを10回程繰り返して合計42匹を狩った。そしてステータスがこうなった。
名前:山根 草太
種族:人族
年齢:17
性別:男
Lv:10
HP:70/70(+40)
MP:22/160(+75)
攻撃力:58(+40)
防御力:75(+40)
敏捷:67(+42)
知力:120(+70)
精神力:92(+50)
魔力:131(+75)
ユニークスキル
【流体操作】Lv3
アクティブスキル
【武術】Lv1【料理】Lv2
【風魔法】Lv3【水魔法】Lv3【火魔法】Lv1
パッシブスキル
【環境適応】Lv3【気配遮断】Lv3【苦痛耐性】Lv1【異臭耐性】Lv2
【逃走】Lv1【忍び足】Lv2【魔力感知】Lv1
称号
【昼寝を愛す者】【昼寝の達人】【流された者】【異世界転生者】【ゴブリン狩り】
全体的に強くなり、スキルも上がった。
スキルの詳細を確認してみる。
ユニークスキル
【流体操作】Lv3
液体や気体の流れを操作することができる。流れの速度・向きを変えることができ、圧縮や拡散させることができる。
Lv1:自分を中心に1m範囲内の流体を操作可能。
Lv2:自分を中心に2m範囲内の流体を操作可能。
Lv3:自分を中心に5m範囲内の流体を操作可能。
アクティブスキル
【風魔法】Lv3
そよ風、強風、ウィンドストーム(弱)、ウィンドカッター、悪臭の導き
【水魔法】Lv3
ウォーターアロー、水爆散、ウォーターボール、ウォーターニードル
【火魔法】Lv1
トーチ
魔法がいくつか増えていた。流体の操作範囲が5mになり、遠距離にも応用可能になった。これを使えば、ただ真っ直ぐに飛ぶだけだった魔法も曲げることができる。
それにしても悪臭の導きってなんだ?ちょっと自分に向けてみるか。
「悪臭の導き!…おえぇぇぇええーっ…!」
あまりの臭さに吐いてしまった。これはだめだ。こんな兵器使ったら誰も勝てないわ。これは嫌いなやつにやるべきだな。
魔石は多すぎるため放置してゴブリンの臭いが届かないところまでいき、MPが回復するまで木の実を食べながら待つ。少し散策していると最初に倒したゴブリンが食べていた木の実を見つけた。これは梨のような実だったので、食べてみると梨だった。
MPが回復した。再びゴブリンの死骸の山にいくと、ゴブリンがまた来ていた。油断しきっていたので楽に倒せた。
これだけ倒せば村の方もほとんどいないだろう。ということで村の方に向かった。自分のゴブリン臭は風で飛ばして消した。
ゴブリン村には数匹のゴブリンと少し大きめのゴブリンが3匹いた。ゴブリンの上位種だろうか?数匹のゴブリンも木の棒ではなく剣や弓を持っていた。
あのゴブリン達は偵察部隊だったのだろうか?それにしても小出しだったな。ゴブリン達は周りを警戒しているようだ。
ゴブリンに気づかれないように気配を消して後ろに回り込む。持っていた木の実を数匹のゴブリンの間に投げる。音に気がついたゴブリンが警戒しつつ、こちらに近づいてきた。
【流体操作】によって木の実を爆散させる。すると、全ゴブリンが振り返り、木の実に近付く。最初に近付いた方のゴブリンも【流体操作】によって爆散させて、出てきた血で数匹のゴブリンと3匹の上位種のゴブリンを貫く。数匹のゴブリンは即死したようだが、上位種のゴブリンは耐えた。
上位種のゴブリンは皮膚が硬そうだ。一対一でそう簡単に負けることはないが、近付かれると怪我を負うおそれがある。
ここは怯ませるためにアレを使うべきだ。
「くらえっ!悪臭の導き!」
僕が手を突き出して、なにも起こらなかったことで、上位種のゴブリンは嘲笑った。しかし、次の瞬間、あまりの臭さに上位種のゴブリンが悶絶していた。
【流体操作】+【風魔法】でウィンドカッターを放ち、無防備な上位種のゴブリンを切り刻んだ。